食欲を満たし肥満も防ぐ 食物繊維の知られざるパワー
ダイエットに効果があるだけでなく、血管の大病の予防にもなる
芦部洋子=フリーライター
胃腸が弱ったとき、便秘のときは食物繊維のとり方に注意
ダイエットにも、腸の環境を整えるためにも、効果のある食物繊維だが、とり方には注意も必要だ。
食物繊維は消化しにくいので、体に良いからといってとりすぎると胃腸に負担がかかる。胃腸が弱っているときは、無理にとらないようにしよう。また、よくかまずに食べたり、食材にきちんと火が通ってなかったりすると消化に負担がかかるので、胃腸が弱っている時には食べ方、調理法にも気をつけることが肝心だ。
さらに、「便秘が続いている人が、急に食物繊維の豊富な食材を生のままで大量に食べると、一時的に調子が悪くなることもあります。便秘の際に食物繊維の豊富な食材を食べる場合は、よく加熱して少しずつとるようにしましょう」(岸村さん)
最後に池谷院長は、「食事を変えると、24時間後には腸内環境が変わり始めるというデータがあるそうです。今日から食物繊維の豊富な食材を意識して食べると、明日から腸内環境が好転し始め、ダイエットに効果があるだけでなく、10年後、20年後の血管の大病の予防にもなります」と語った。
昔ながらの日本人の食卓では、食物繊維の豊富な雑穀を米に混ぜて主食にするほか、豆類、大豆製品や乾物類を使ったおかずも多かった。洋風の食事が多くなった現代では、食物繊維の豊富な食材の登場回数は、残念ながら減っているのが実情だ。
食べてやせるダイエットのために、また腸内環境を整えて生活習慣病を予防するために、食物繊維の豊富な食材を、もっと積極的に活用してはどうだろうか。
池谷医院院長、医学博士

管理栄養士
