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メガネ型のセンサー搭載新端末「JINS MEME」をいち早く体験!

ランニングフォームの乱れをセンサーでチェック

 原如宏=ITライター

 「フレームとレンズ込みで4900円(税別)~」という料金体系でお馴染みのメガネブランド「JINS(ジンズ)」を運営するジェイアイエヌから、新コンセプトの製品が登場した。それがセンシング・アイウェアの「JINS MEME(ジンズ・ミーム)」。フレームに頭部の動きを検知するセンサーを搭載したメガネ型のウェアラブル端末だ。

「JINS MEME ES」(税別3万9000円)。有料になるが度付きレンズや、車の運転に適したレンズにも変更できる。
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「JINS MEME MT」(税別1万9000円)。激しい動きでもずれにくい。夜間でも使いやすいクリアレンズにも変更可能(税別2000円)。
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日常使い用とスポーツ用の2機種を展開

 JINS MEMEのラインアップは2種類。動きの向き、距離、速度を検知できる「6軸センサー」に加え、まぶたなどの動きを検知する「3点式眼電位センサー」搭載の「JINS MEME ES」(税別3万9000円)と、6軸センサーのみを搭載する「JINS MEME MT」(税別1万9000円)。前者は日常使いに向いたモデルであるのに対して、後者はフィットネスに特化したモデルとなる。新たにオープンしたJINS MEMEの旗艦店「JINS MEME フラッグシップストア 原宿」をはじめ、全国38店舗のJINSショップとオンラインショップで2015年11月5日に発売された。

11月5日にオープンしたJINS MEMEの旗艦店「JINS MEME フラッグシップストア 原宿」。
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一般的な黒フチフレームのデザインを採用したJINS MEME ES。「JINS MEME フラッグシップストア 原宿」の店頭では、試用ブースが用意されている。
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 JINSから「一風変わったウェアラブルデバイスが登場する!」。そんな話を聞きつけ、本サイトでコラム「話題の健康ツール試し斬り」を担当する私、ライターの原がJINS MEMEの報道関係者向け内覧会へと出向いた。詳細なレビューは次回のコラムに回すとして、まずはどういった製品なのかを解説してみたい。

 気になるのは、一体何ができるのか? 普通のメガネと何が違うのか? という点だろう。JINS MEMEといっても、見た目は普通のメガネ、スポーツ用のサングラスと変わらない。違いを感じられるのは、メガネを耳にかけるためにあるテンプル(ツル)の先端部が幅広のデザインになっていることくらいだ。実はここに、6軸センサーやスマートフォンと無線接続するための通信機、本体を起動するバッテリーなどが内蔵されている。

JINS MEMEのテンプル部。先端の幅が広くなり、ここにセンサーやバッテリーなどを搭載する。
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JINS MEME ESは、鼻バッド部分に独自開発した「3点式眼電位センサー」を搭載。
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テンプル部の先端には充電用のマイクロUSB端子がある。
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 少し変わったテンプル部だが、装着してみると普通のメガネ、スポーツサングラスと変わらなかった。重さもJINS MEME ESが約36グラム(度なしUVカットレンズの場合)、JINS MEME MTが約45g。普段、筆者が愛用しているメガネと比べても違和感がない。どちらも1サイズのみの展開だが、多くの人に適合するようにデザインされている。もし、耳に痛みを感じるようなら、パッドなどをテンプル部に貼り付けて調整できるそうだ。

日常用では体年齢や眠気を測定

 装着感は至って普通。だが、スマートフォンと連携して利用する点が、普通のメガネとは大きく異なる(接続はBluetooth)。JINS MEME内蔵のセンサーで計測したデータを、スマートフォンにダウンロードしたアプリへと受け渡し、体の状態を分析する。

 5日の製品発売時点で用意されるアプリは、全部で3つ。頭の動きや姿勢、物事をしているときの集中度合いから体年齢や頭年齢を計測する「JINS MEME app」、ランニング用の「JINS MEME RUN」、自動車を運転しているときの眠気を推定する「JINS MEME DRIVE」だ。いずれもiPhone、iPadなどのiOS版のみとなる(Android版のアプリも開発中とのこと)。

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「JINS MEME app」の画面。6軸センサーで捉えた頭の動きと、3点式眼電位センサーによるまぶたの動きから、体年齢と頭年齢を計測して示す。
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運転中の眠気具合を、「順調」、「少し眠そう」、「とても眠そう」といった具合に教えてくれる「JINS MEME DRIVE」。眠くなるとまぶたの動きがゆっくりになったり、まばたきの時間が長くなったりするところをセンサーで捉え、眠気を推定しているという。

 2つのセンサーを搭載するJINS MEME ESはすべてのアプリを、6軸センサーのみを搭載する同MTは「JINS MEME RUN」のアプリだけを利用できる。同MTの用途が少ないように感じるかもしれないが、フィット感は同ESより上。本格的にランニングをしている人なら、こちらが断然お勧めだ。

ランニングの“質”を向上させる!

 3つ用意されているアプリの中で、ジェイアイエヌが特に力を入れているのがJINS MEME RUN。6軸のセンサーを利用して常に頭の動きを監視し、ランニングフォームを分析できるというものだ。普段、ランニングをしている人なら、フォームの重要性というのはご存じだろう。フォームが崩れると、左右のバランスが悪くなり、体の一部分に余計な負荷が加わる。無理を続ければ故障につながることもある。

 正確なフォームでランニングをするというのは、初心者からベテランまで、すべてのランナーに共通する重要なテーマだ。しかし、自分自身でフォームを確認するのは難しい。この問題をJINS MEMEがサポートしようというわけだ。

 アプリでは、JINS MEMEから得た頭の動き方に関する情報を基に、走りのバランスを分析。正しいフォームとされる目標範囲内に体のブレが収まっているか、それとも範囲外へ出てしまっているかをアプリ画面や音声で通知する。音声でのコーチングは、250メートルごとに行われるので、常にフォームを意識しながらランニングをできるという。

「JINS MEME RUN」のデモ画面。自分の目標(ターゲット)をマラソンの走行タイムで3時間を切る「サブ3」、4時間を切る「サブ4」、5時間を切る「サブ5」か、あるいは目標を定めない「フリー」から選び、ランニングをスタートする。
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頭の動きを基に、正しいフォームで走れているかどうかをアプリが解析する。ランニング中は、音声でもフォームについての指示を聞ける。
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 分析結果の画面では、ランニング中の全経過を振り返ることも可能だ。最初は正しいフォームで走れていたが、徐々に疲れてくるとフォームが崩れてしまう…といった、走りの傾向をデータ上で確認できる。また、正しいフォームを維持するために、トレーニングすべき体の部分をアドバイスする機能も今後提供する。2016年1月に提供予定の体幹トレーニング用アプリ「JINS MEME CORE TRAINING」と組み合わせることで、弱点を克服するトレーニングプランを提案するなど、ユーザーのランニングの質を向上させるためのサポートをする。

こちらは、アプリ開発者の方が実際に記録した内容。疲れてくると、アゴが上がってしまうクセがあることが分かったという。
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フォームについてのアドバイスや、強化ポイントなどを教えてくれる。
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 心拍数やシューズに装着するフットセンサーなど、ランナーにはお馴染みのデバイスとの連携には今のところ対応していないが、この点も利用者の動向などを見つつ、検討していくという。これまでウェアラブル端末や、ランニング用のスポーツウォッチ、スマホのランニングアプリというと、走った距離や心拍数など、運動の量や強度を主に記録するものが多かった。

 一方JINS MEMEは、運動量ではなく、フォームといった“運動の質”を捉えることに重きを置いている。これが大きな違いだ。実際に使ってみると、新しい視点で自分のランニングを見つめ直すことができそうだ。今回は、内覧会場で体験した話を中心にまとめたが、連載コラムの方では、実際にJINS MEMEを装着して生活した実感ベースの話をする予定だ。

 そこではランニングだけでなく、ウォーキングでの利用、または独自開発の3点式眼電位センサーを活用した活動量、運転時の睡眠分析など、ランナー以外でも利用してみたくなるJINS MEMEの機能について書いてみたい。JINS MEMEの使い勝手が気になる人は、次報を待って欲しい。

原如宏(はら ゆきひろ)
ITライター
原如宏(はら ゆきひろ) テレビゲーム誌、インターネット誌、パソコン誌を経てフリーライターへ。現在は初心者向けにパソコンやスマートフォン、オンラインサービス関連の使いこなし記事を寄稿する。体重が歴代最高の64kg台になったことで一念発起し、人生初のダイエット(生活改善)に挑戦中。5km圏内はできるだけ徒歩で移動し、毎日ジョギングや自転車での運動を心がけている。