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高樹沙耶容疑者逮捕で遠のく医療用大麻の合法化

 倉沢 正樹=日経メディカル

©Lukas Gojda-123rf 

 10月25日、元女優の高樹沙耶容疑者が、大麻取締法違反(所持)の疑いで逮捕されたと報じられた。人気テレビドラマ『相棒』に出演していたことに加え、7月の参議院議員選挙に立候補していた経緯から、どのメディアも大きなニュースとして扱った。

 この高樹容疑者、参院選に立候補した際には、公約に「医療用大麻の合法化」を掲げていたことをご記憶の方も少なくないだろう。彼女が逮捕された今となっては、「クスリ好きの世迷い言」と片付けられてしまうかもしれない。だが、医療用大麻の合法化は、実は国際的な潮流となっているのが現実なのだ。

米国では既に半数近い州で合法化

 大麻の薬効成分は「カンナビノイド」と総称され、その種類は数十から100種類以上にも及ぶとされる。これらの成分は単独で、あるいは相互に作用することで薬効を発揮すると考えられている。

 カンナビノイドのうち主要な成分が、多幸感をもたらすなどの精神作用を有するテトラヒドロカンナビノール(THC)と、精神作用はないが様々な薬効を有するカンナビジオール(CBD)の2つだ。THCはその精神作用から、疼痛緩和や悪心・嘔吐の軽減、痙攣抑制などの効果を持つ。一方のCBDには、THCが有する効果に加え、血糖低下や抗炎症、抗菌、抗不安、がん細胞の増殖抑制などの作用もあるとされる。

 1990年代から盛んになったカンナビノイド研究の結果、上に挙げた薬効が明らかにされたことにより、欧米諸国では医療用大麻の合法化が進められてきた。1996年に米国のカリフォルニア州で住民投票により医療用大麻が合法化されたのを皮切りに、現在は半数近い州で医療用大麻が使えるようになっている。また欧州でも、1990年代末から2000年代にかけて、英国やオランダ、ベルギー、ドイツなどの国が相次いで医療用大麻の合法化に踏み切った。

 これに対し、日本では今のところ、合法化に向けた具体的な動きは見られない。大麻取締法によって、大麻の所持や嗜好品としての使用はもちろんのこと、医薬品としての使用や、そのための臨床研究も厳しく禁じられているからだ。同法第4条は、何人(なんびと)も「大麻から製造された医薬品を施用し、又は施用のため交付すること」をしてはならない、と規定している。

 とはいえ、過去には我が国でも、医療用大麻が使われた時代があった。既に近世には中国の医薬品集を通じて大麻の薬効が伝えられていたことが分かっており、江戸時代には麻酔薬や鎮痛薬、便秘薬、疫病の治療薬などとして使われたという記録が残っている。また、医薬品の規格書である日本薬局方にも、戦前までは「印度大麻草」などが収載されていた。しかし、連合国軍総司令部(GHQ)の指令により1948年に大麻取締法が制定されたのを機に削除され、以降は一切の医療用大麻の使用が禁じられることになった。

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