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コロナワクチン3回目は違うメーカーでも大丈夫? 米国は交差接種を承認

ファイザーとモデルナを替えても抗体価は十分に上昇、デルタ株にも効果

 大西淳子=医学ジャーナリスト

デルタ株にもブースター接種は十分な効果

 デルタ株に対する抗体の量を調べた結果も同様でした(表2A)。接種前の血清では、デルタ株に対するIgG抗体価は野生株を対象とした場合より34~45%低かったのですが、ブースター接種から15日後には、野生株に比べ15~36%低いレベルにまで上昇していました。ワクチン別に見ると、ファイザー社→ファイザー社の場合は6.0倍、ファイザー社→ヤンセン社では3.7倍、ファイザー社→モデルナ社の場合は6.3倍でした。同様に、モデルナ社→モデルナ社では3.3倍、モデルナ社→ヤンセン社では2.8倍、モデルナ社→ファイザー社では3.7倍でした。

 デルタ株に対する中和抗体価も、ブースター接種後に十分に上昇していました(表2B)。論文が書かれた時点で分析が終わっていたのは、モデルナ社のワクチンをブースター接種した場合の結果だけでしたが、A)のIgG抗体価と中和抗体のレベルは相関することが示されているため、中和抗体がどの程度誘導されるのかはおおよそ予測できます。

表2 デルタ株に対する抗体の反応
表2 デルタ株に対する抗体の反応
(Atmar RL, et al. Heterologous SARS-CoV-2 Booster Vaccinations – Preliminary Report. MedRxiv. Oct 15, 2021. )

 以上の検討から、当初と同じワクチンを用いた場合と、別のワクチンを用いた場合の両方で、ブースター接種は免疫を刺激すること、特に当初とは別のワクチンを用いると、抗体のレベルの上昇は同等かそれ以上になることが明らかになりました(ただしファイザー社またはモデルナ社のワクチン接種後のブースター接種にヤンセン社のワクチンを用いた場合は、同等レベルにはなりませんでした)。デルタ株に対しても同様であったことから、デルタ株に特異的なワクチンを接種しなくても、これまでと同様のワクチンのブースター接種により、デルタ株に対する予防効果も高まることが示されました。

 なお、当初と同じワクチンを用いたか、別のワクチンを接種したかによって有害事象に差は見られず、安全性に関する懸念は示されませんでした。

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大西淳子(おおにしじゅんこ)
医学ジャーナリスト
大西淳子(おおにしじゅんこ) 筑波大学(第二学群・生物学類・医生物学専攻)卒、同大学大学院博士課程(生物科学研究科・生物物理化学専攻)修了。理学博士。公益財団法人エイズ予防財団のリサーチ・レジデントを経てフリーライター、現在に至る。研究者や医療従事者向けの専門的な記事から、科学や健康に関する一般向けの読み物まで、幅広く執筆。

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