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味がよく分からない、食欲が落ちてきた…それは亜鉛不足かも

高齢者では寝たきり予備軍となる可能性も

 梅方久仁子=ライター

 任氏によると、「亜鉛補充療法に漢方薬を併用すると、亜鉛欠乏性の味覚障害と特発性の味覚障害(*2)は7割以上が治ります。ただ、効果が現れるまでに3カ月から半年はかかりますので、あきらめずにじっくり治療をしてください」とのことだ。

 「感覚に関する加齢変化を調べた調査では、味覚は視覚、聴覚、嗅覚に比べて、年を取ってもそれほど衰えないことが分かっています。ですから味覚障害は高齢者でも改善しやすく、特発性と亜鉛欠乏性に限ると、65歳以上と65歳未満の改善比率は、ほとんど差がありません」と任氏は言う。

 これは、味覚障害に悩む高齢者には朗報だろう。

自己判断で大量摂取すると過剰症の恐れも…必ず医療機関受診を

 味覚障害は、一緒に食事をした人から指摘されて気付くことが多い。ひとり暮らしの人は、食事をまずく感じたら、「ひょっとして味覚障害かも?」と疑ってみることが肝心だ。

 「以前と同じように作っているのにまずい、味が薄いと思うようになったら、要注意」(平澤氏)、「台所に置いてある塩や砂糖をちょっとなめてみて味がわからなければ、ほぼ味覚障害」(任氏)といった方法も試してみよう。

 ただ、自己判断で亜鉛不足と考え、亜鉛サプリメントをむやみに飲むのは禁物だ。亜鉛には過剰症があって、とりすぎると貧血、免疫力の低下、性機能低下、味覚や嗅覚の低下などが起こる。これらの症状は亜鉛欠乏症と似ているので、過剰になっていてもわからずにサプリメントを飲み続け、ますます悪化する恐れがあるという。

 ひょっとして亜鉛不足かもと思ったら、まずは医療機関を受診して、血液検査で亜鉛の値を測ってもらおう。低亜鉛血症と診断されたら、保険診療での治療が可能だ。亜鉛を豊富に含む食べ物から亜鉛を摂取することももちろん重要だが、亜鉛欠乏症と診断されるほどの亜鉛不足になったら、医師の指導の下、適切な治療を受けて、以前の味覚と食欲を取り戻そう。

*2 特発性味覚障害:亜鉛欠乏性、薬剤性など他の原因にあてはまらない味覚障害を特発性と分類する。特発性の多くは潜在性の亜鉛欠乏症と考えられる。
任 智美(にん ともみ)さん
兵庫医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科講師
任 智美(にん ともみ)さん 2002年兵庫医科大学卒業。同大耳鼻咽喉科、神戸百年記念病院耳鼻咽喉科、ドイツ・ドレスデン大学嗅覚・味覚クリニックなどを経て2014年2月より現職。日本でも数少ない味覚外来を担当する。医学博士、耳鼻咽喉科専門医。
平澤精一(ひらさわせいいち)さん
マイシティクリニック(東京都新宿区)院長
平澤精一(ひらさわせいいち)さん 1981年日本医科大学卒業。同大大学院医学研究科、同大泌尿器科、河北病院などを経て1992年、東京都新宿区にマイシティクリニックを開業。1996年医療法人社団医精会理事長、2016年より東京医科大学地域医療指導教授を兼任。医学博士、日本泌尿器科学会認定専門医。

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