「デング熱かも?」と相談を受けた医師は2割弱
デング熱の次はマラリアが来るのでは…
加納亜子=日経メディカル
今年8月、海外渡航歴のない10代女性が発症したのをきっかけに、国内での感染が急速に拡大したデング熱。10月に入ってからは気温の低下とともに蚊の活動が衰え、流行は収束に向かいつつある。
約70年ぶりの国内感染と注目を集め、一時は報道が過熱したが、今回の流行を受けて患者から「デング熱かも?」と相談を受けた医師はどれくらいいたのだろうか。日経メディカル Onlineの医師会員を対象に、アンケートで聞いてみた。
8月に起きた国内感染の報道以降、デング熱に関する相談を受けた人数を2119人の医師会員に尋ねたところ、「1人」が8.5%、「2人以上5人未満」が6.8%、「5人以上10人未満」が1.7%、「10人以上」が0.8%となった。つまり全体の17.8%(378人)が相談を受けていた(図1)。
医師に相談に来た患者は、必ずしも症状があったわけではないようだ。「患者から相談を受けた」医師378人を対象に、どのように対応したかを尋ねたところ、最も多かったのは「デング熱の可能性は低いと判断し、経過観察した」186人(図2)。「症状などから鑑別し、他の疾患と診断した」が112人と続いた。また、症状のない患者から相談を受けた医師も83人に上った。自由記述欄には、蚊に刺されただけで受診した患者や報道を受けて不安に感じていた患者がいたという記載もあった。
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