人生100年時代、私たちはどうしておくべきなのか…と不安になることはありませんか。経済評論家の勝間和代さんは、この寿命が延びていく時代に、前向きに生き抜く方法を提言しています。前回は、人生100年時代に生じる3つのリスク、身体的リスク、金銭的リスク、社会的リスクについて、勝間さんに解説していただきました。2回目の今回は、身体的リスクについて、勝間さん自身がどのように対策しているのかを聞きました。
長生き時代を戦略的に乗り切る「勝間式ゆるエイジング術」
「私たちの体のあらゆる機能は、20代半ばを境にして衰えます。ただ、そのスピードはあくまでもゆるやかなので、劇的な効果があるサプリメントやエステは必要ないと考えます。自発的に無理なくできることを続けるほうが、適切なエイジング術といえるでしょう」(勝間和代さん)
勝間さんが実践しているエイジング術の柱は、食事、運動、睡眠の3つ。身体的リスクの管理を徹底し始めた40代から、健康に関する国内外の書籍や論文をチェックするようになり、興味を持ったものを試してきた。人から薦められてよさそうだと思ったことも必ず試し、自分に合っていて、効果を実感できるものが習慣として残ったという。
「健康意識が高い方には目新しいことはないでしょうが、基本的なことだからこそ長く続けられて効果を持続できるわけです」という勝間さん。前回紹介した体成分分析(InBody)の結果では、体脂肪率が減って筋肉量が増えていただけではなく、基礎代謝量は20歳前後に該当していた。さらに、別に受けた脳の認知能力を測るテストでは、10代後半に匹敵する数値を記録。勝間式エイジング術の、効果の高さを裏づける結果だ。
では、具体的に聞いていこう。
1)食事=血糖値スパイクを防いで糖尿病リスクを下げる
勝間さんが積極的に摂取しているのはたんぱく質、食物繊維、ビタミンやミネラルの微量栄養素。「これらをちゃんと摂取する方法は簡単で、野菜や肉、魚などの生鮮食品を買って自炊をすることです」(勝間さん)。
血糖値の急上昇を防いで太りにくくするために、シュガーフリーも実践する。シュガーフリーは、食物から抽出して分離・精製させた砂糖や人工甘味料、それらを含む調味料を制限すること。糖質を含むが食物繊維なども含む穀類や野菜、果物は食べてOKだ。
「主食は玄米で、外食時も白米は避けます。白米は甘みが強くない分食べ過ぎやすく、でも砂糖と同じぐらい血糖値を上げて内臓脂肪のもとに。現代人の4人に1人が糖尿病予備群といわれる一因かと。内臓脂肪は臓器の働きを鈍らせるのも問題。昔の人が食べていたのは白米ではなく玄米。同じ米でも別物です」
血糖値コントロールと同様に
腹八分目も徹底する

「血糖値は上がり過ぎても下がり過ぎてもダメで、食間が開き過ぎるのもダメ。私は1食400kcal前後に抑えて腹八分目かそれ以下にして、1日3~4食食べています」
玄米か混ぜご飯をセレクト
パンはサンドイッチで

外食で白米しかなかったとき、病的な睡魔に襲われた経験がある勝間さん。以後、同じ精製された穀物でもパンを選ぶように。野菜やハムを挟めば、栄養バランスもよくなる。ホームベーカリーで焼く自家製パンは天然酵母を使用。血糖値が急上昇しにくい全粒粉を強力粉と同量入れるのが基本。