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新型コロナのリアルワールドでの感染は「飛沫感染」が大半

感染者からの距離と換気の程度が大きく影響

 大西淳子=医学ジャーナリスト

集団における感染の実態について分かっていること

 このウイルスの感染者1人が生じさせる二次感染者の数は一定ではありません。中国で流行拡大の初期に行われた接触者追跡の結果を簡単に説明すると、以下のようになります。100人の感染者を追跡したところ、それらの患者から感染した人(二次感染者)が100人見つかったとします。二次感染者のうちの80人は、最初に感染した100人のうちのたった9人から感染していました。

 また、シミュレーション研究でも、100人の感染者のうちの10人は、その後80人に感染させるが、残りの90人から感染するのは20人だけであることが示されました。実際のデータを利用して各国で行われた分析でも、同様の結果が示されています。

 たくさんの人に感染させる、いわゆるスーパースプレッダーとは、どんな人なのでしょうか。残念ながら現時点では、混雑した室内にいた感染者で、気道に存在していたウイルスの量が多かった人、といった特徴しか見つかっていません。

まとめ:「三密」はやはりハイリスク、基本的な予防策の徹底が重要

 新型コロナウイルス感染症の流行が始まった当初は、一般市民も医療従事者も、誤った情報や、実験室で得られたデータの拡大解釈などに振り回される傾向がありました。しかし、その後の、医療従事者、科学者、公衆衛生の専門家などの努力によって、このウイルスに関する理解は進み、エビデンスベースの感染抑制策が提示されるようになっています。

 冒頭にまとめたような新型コロナウイルスの感染の特徴を踏まえると、「マスク着用」「三密(密閉・密集・密接)環境の回避」「換気」「手洗い・消毒」といった基本的な予防策は、非常に理にかなっていると言えるでしょう。

 今後も新型コロナウイルスに関するエビデンスは蓄積され、情報は更新されていきます。私たちも、信頼性の高い情報源からの最新のエビデンスに注目し、日々の感染予防策を、適宜、最適化していくことが大切です。


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大西淳子(おおにしじゅんこ)
医学ジャーナリスト
大西淳子(おおにしじゅんこ) 筑波大学(第二学群・生物学類・医生物学専攻)卒、同大学大学院博士課程(生物科学研究科・生物物理化学専攻)修了。理学博士。公益財団法人エイズ予防財団のリサーチ・レジデントを経てフリーライター、現在に至る。研究者や医療従事者向けの専門的な記事から、科学や健康に関する一般向けの読み物まで、幅広く執筆。

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