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医師が思う、川島なお美さんの逝去から学ぶべきこと

がん患者は最期に急激に悪化する、そして、ギリギリまで自分らしく生きることができる

 廣橋 猛=永寿総合病院 がん診療支援・緩和ケアセンター長

川島さんが教えてくれたこと

 話を川島なお美さんに戻します。彼女は「抗がん剤の副作用でステージに立てなくなる可能性があるなら、私は最後まで女優として舞台に立ち続けたい」と考え、抗がん剤は使用しなかったそうです。

 そのことに賛否両論あるでしょう。余命が短いことは、少なくともご家族には伝えられていたようですし、ご自身も死を意識していたはずです。ただ、彼女は抗がん剤治療をしないことを選択しました。そして、女優として記者会見に臨まれ、ギリギリまで舞台に立ち続けられました。恐らくは長時間立つことなど不可能であり、それなりの痛みや苦しさを伴っていたものと想像され、そこには適切な緩和ケアが施されていたのではないかと思います。

 川島さんは、多くのがん患者さんに教えてくれました。「がん患者は、最期に急激に悪化するから、早めに準備をしておいた方がよいこと」を。そして「がん患者は、亡くなるギリギリまで、自分らしく生きることができること」を。

廣橋猛(ひろはし たけし)さん
永寿総合病院 がん診療支援・緩和ケアセンター長
廣橋猛(ひろはし たけし)さん 2005年東海大学医学部卒。三井記念病院内科などで研修後、09年緩和ケア医を志し、亀田総合病院疼痛・緩和ケア科、三井記念病院緩和ケア科に勤務。14年2月から現職。
この記事は、日経メディカルからの転載です。

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