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意外と身近なイベルメクチン 「ありがとう、大村さん」―ノーベル賞受賞によせて―

高齢者などに流行する疥癬、糞線虫症、犬のフィラリア症予防薬にも

 大西淳子=医学ジャーナリスト

イベルメクチンは、イヌのフィラリア症予防薬として最も多く使用されています。(Ksenia Raykova/123RF.com)

 イベルメクチンは2002年から、糞線虫症の治療薬としても日本で使用されています。熱帯、亜熱帯特有の糞線虫症の患者は、沖縄県や鹿児島県の奄美諸島で発生しています。土壌に潜む糞線虫の幼虫は、皮膚を貫通してヒトに感染し、腸に行き着いてそこに寄生します。琉球大学医学部第一内科によると、同診療科に入院した50歳以上の患者の約10%が糞線虫の寄生を受けていたそうです。イベルメクチンは、通常は2回の投与で優れた駆虫効果を示します。

 また、日本でイヌのフィラリア症予防薬として最も多く使用されているのがイベルメクチンです。月1回の内服で有効な錠剤や、回虫駆除薬と合わせてイヌが好きな味に仕上げたチュアブルタイプがよく処方されているようです。

 途上国の何億人もの人々だけでなく、日本の高齢者や、沖縄や奄美の人々の健康にも貢献、家族の一員である大切なペットのフィラリア症をも予防するイベルメクチン。ありがとう、いい薬です。

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