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ある末期がん患者が選んだ「治らなくても治療を続けながら復職」

求められる患者側と会社側、双方の意識の改革

 芦部洋子=ライター

 功能さんは、「残念だったのは、障害者手帳の利用が早くできなかったこと。障害年金は、手続きに非常に手間がかかる割に認可が下りにくく、改善が必要な制度だと感じた。障害者手帳は、障害年金より手続きが簡単なのに、利点を知らなかったために利用が遅れた。この手帳を持っていると、車椅子生活になったときに多くのサービスを受けられるので、これも周知徹底が必要」と語る。

「会社のサポート制度自体がなかった」が43%

 企業によるがん経験者への治療と仕事の両立支援に関しては、「満足」が17%、「どちらかと言えば満足」が30%だが、「サポート制度自体がなかった」との回答が43%と、企業による差異の大きさが分かった。

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 また、「制度があっても、利用できない雰囲気があった」と答えた人が14%いた。アンケートの自由回答でも、より働きやすい環境の実現のためにがん経験者が企業や同僚に求めることとして、「がんは誰でもかかり得ることを前提とした意識や制度の改善」「外見からは分からない痛みや辛さがあることを知ること」といった声が寄せられた。制度を作ったものの職場の理解が進まず誰も使わない、そのため制度が形骸化している、といったことが起きている職場は少なくないようだ。誰もが制度を利用できるような企業風土の醸成が必要であろう。

 「山岡はいつもマインドセットとマネジメントが重要と言っていた。患者の側は、自分自身の心の持ちようを変えていくことと、仕事をしながら生活するためのセルフマネジメントがカギになる」と功能さん。

 セルフマネジメントと言っても、患者だけで完結することではなく、例えば、体調に応じてスケジュールを変更せざるを得ない場合に、それができる環境を作ることも重要で、職場の上司や同僚との話し合いが必要な部分も多い。そういう思考と行動を起こせる環境づくりが大切だ。

 「患者の意識が変わり、会社の体制を変える努力をすることで、がんとともに生きる社会、がんとともに働く社会になっていくと思う」と功能さんは対談の最後に語った。

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