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認知症の予防は40代から! 脳の老化を防ぐ5つのポイントとは?

認知症セミナー(前編)

 梅方久仁子=ライター

もし脳の衰えを感じたら? 老化を予防するポイントは?

 では、もし脳の衰えを感じたら、どうすればよいのだろう。世界保健機関(WHO)は生活習慣病が認知症に与える影響を発表している(*2)。こういった情報も含め、新井さんは脳の老化を予防するポイントとして次の5つを挙げている。

<脳の老化を予防するポイント>
・生活習慣病の改善
糖尿病、脂質異常症、高血圧、肥満、歯周病などの生活習慣病をきちんと治療する。
・対人ゲーム
麻雀、トランプ、将棋、囲碁のような対人ゲームをする。
・運動をしながら頭を使う
体操しながら歌う、散歩しながら計算するなど、体と同時に脳を使う。
・質のよい睡眠をとる
リズムを整え、質のよい睡眠を十分な時間取る。
・バランスのよい食事
お酒の飲み過ぎや間食・夜食を避ける。WHOでは地中海食(*3)を推奨しているが、バランスのよい日本食もよい。
*2 「認知機能低下および認知症のリスク低減 WHOガイドライン」を参照。
*3 イタリアやスペインなど地中海沿岸諸国の伝統料理「地中海食」は、オリーブオイルと魚介類の摂取が多いのが特徴で、心臓病の予防効果やダイエット効果が確認されている。ニューヨーク在住の2258人を対象にした調査からも、アルツハイマー病のリスクが低いことが分かっている(Ann Neurol. 2006 ;59:912-21.)。

 「対人ゲームは、人間を相手にすることでコミュニケーションを楽しめるし、予期しない反応が返ってきて変化に富んでいます。勝ち負けに一喜一憂して感情を揺さぶられることもあります。計算ドリルや漢字の書き取りを繰り返すよりも、脳の活性化にはいいと思います」と新井さんは勧める。

 さらに新井さんは睡眠の重要性を指摘する。

 「アミロイドβタンパクは睡眠中に代謝され排出されるため、睡眠不足になると蓄積しやすくなります。いまは副作用の少ない優れた睡眠薬がありますから、どうしても眠れないときは活用するのもいいでしょう。寝酒は眠りが浅くなるのでお勧めしません」とのことだ。

 「アルツハイマーは発症する20年くらい前から進行しているので、若い頃からの予防が大切です。また、薬やサプリメントに頼ろうとするよりも、普段の生活に気を配りましょう。食事は1日3回とるものですから、一番重要だと思います」と新井さんは力説する。

 認知症を予防するためには、40代、50代でも油断せず、生活を見直していこう。

 次回は、脳と腸が互いに影響を及ぼし合うといった最新研究の内容をお届けする。

(図版制作:増田真一)

新井平伊(あらい へいい)さん アルツクリニック東京院長、順天堂大学医学部名誉教授
新井平伊(あらい へいい)さん 1984年順天堂大学大学院修了。東京都精神医学総合研究所主任研究員、順天堂大学大学院精神・行動科学教授を経て、99年、「若年性アルツハイマー病専門外来」を開設。2018年、東京丸の内に「アルツクリニック東京」をオープンし、院長に就任(現職)。アルツハイマー型認知症の基礎と臨床を中心とした老年精神医学が専門。

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