過半数の医師が「糖質制限」を支持
医師の3人に1人は自ら実行
大滝隆行=日経メディカル
糖質制限(低炭水化物食)ダイエットとは、1日の食事の中で白飯やパン、麺類といった炭水化物の摂取量を減らすというもの。その分、脂肪や蛋白質の摂取量が増えても問題ないとする。
体重是正や血糖改善を目的とした一般的なダイエットでは、エネルギー消費量(身体活動)に応じて1日の摂取エネルギー量を制限し、体脂肪に変換されやすい脂肪の摂取を控えることが重要と考えられている。その場合の摂取成分は指示エネルギー量の50~60%を炭水化物とし、蛋白質は標準体重1kg当たり1.0~1.2g、脂肪は25%以内に抑えるべきとされている。
糖質制限ダイエットを行い「減量に成功した」「HbA1cが正常範囲に戻った」という声が聞かれる一方で、「長期的な効用は認めず、むしろ死亡リスクが有意に増加する」とのエビデンスも最近出ている(関連記事:糖質制限食の長期的効用は認められず)。日本糖尿病学会は今年3月、「2型糖尿病患者の糖質制限食(低炭水化物食)を現時点では薦めない」とする見解を発表した。
こうした賛否両論ある中、健康管理のプロフェッショナルである医師は糖質制限ダイエットをどう評価しているのだろうか。アンケートで聞いてみた。
「患者にも勧めることがある」と答えた医師は14.3%
回答した2263人の医師のうち、15.1%の医師が「支持する」と回答。「どちらかと言えば支持する」と回答した43.2%も合わせると、約6割の医師が「糖質制限ダイエット」を肯定していることが分かった(図1)。
さらに、「糖質制限ダイエットを自身で実行し、患者にも勧めることがある」と答えた医師も14.3%いた(図2)。「自身で実行しているが、患者に勧めることはない」と回答した19.4%を合わせると、医師の3人に1人が糖質制限ダイエットを自ら実行している実態が明らかになった。また、4人に1人が「患者に勧めることがある」と答えた。
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