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医師の6割「ストレスチェックはメンタル不調の1次予防にならない」

「拾い上げ」より「職場改善の対策」を重視する声多く

 鈴木英子=ニューズフロント

 医師10万人以上が参加する医師専用コミュニティサイト「MedPeer(メドピア)」を運営するメドピアは、「ストレスチェック制度」に関するアンケート調査の結果を発表した。それによると、医師の6割以上は、ストレスチェック制度がメンタルヘルス不調の未然防止に効果がないと考えている。

ストレスチェックの効果、医師からは手厳しい声

図1◎ ストレスチェック制度はメンタルヘルス不調の1次予防に効果があるか
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 アンケート調査は、MedPeerに会員登録している医師4031人を対象に、2016年8月3日~9日に実施した。ストレスチェック制度はメンタルヘルス不調の1次予防に効果があるか尋ねたところ、「どちらかと言えば効果はない」との回答が45.3%と最も多かった(図1)。「まったく効果はない」の16.8%と合わせると、62.1%の医師は効果がないとの見解だった。

 「どちらかと言えば効果がある」と答えた医師は35.6%で、2番目に多かった。「かなり効果がある」はわずか2.3%だった。

医師が指摘するストレスチェックの問題点

 効果はないとする医師からは、「ストレスチェック後の職場改善の対策がない限り、1次予防にはならない」「本当にうつ状態で悩んでいる人よりも職場に不満のある人が引っかかる恐れがあり、本来の趣旨とずれる」といった声が上がった。

 一方、効果はあると考える理由としては、「メンタルヘルスの重要性の啓発になる」「やらないよりは、やることで救われる労働者もいる」「ストレスの多い職場のチェックになる」などの意見が聞かれた。

 ちなみに、ストレスチェック制度は、2015年12月に施行された労働安全衛生法改正により、労働者が50人以上の事業所において、毎年1回ストレスチェックを実施することが義務づけられた制度のこと。2016年11月30日までに、全労働者に対して1回目の検査を実施する必要がある。

 ストレスチェック制度の主な目的は、労働者のメンタルヘルス不調の発症を防ぐ1次予防と位置づけられている。ストレスチェック受検者のうち、医師による面接指導が必要と判断された従業員が申し出た場合、企業は医師に依頼して面接指導を実施しなければならない。

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