気がつけばカゼやインフルエンザの季節も間近に迫っています。秋冬は新型コロナの感染拡大も懸念されています。コロナ禍でインフルエンザも流行すると、医療機関に人が殺到し、再び混乱する事態に陥りかねません。さらに、インフルエンザに感染すると、新型コロナの感染リスクや重症化リスクを高める可能性があるという指摘も。今回は、新型コロナやインフルエンザに感染しないために、今からやっておくべきこと、知っておくべきことを紹介します。

新型コロナ感染症の流行は、第2波が既にピークを超えたといわれているが、今後は気温の低下に伴い、密閉状態の室内で人と会う機会も増えてくる。湿度の低下も感染リスクが高まる要因に。まだまだ油断は禁物だ。
秋冬はインフルエンザの流行も見込まれるが、このコロナ禍でインフルエンザまで流行してしまうと、検査・医療機関に人が殺到して再び混乱に陥りかねない。そのうえ、インフルエンザに感染することが、新型コロナの感染リスクや重症化リスクを高める可能性があるという。
新型コロナやインフルエンザに感染しないために今からできる対策は何か、専門家に聞いてみた。
【インフルエンザシーズン間近】
インフルエンザワクチン接種が新型コロナの重症化を防ぐ?!
「今年の秋冬は、インフルエンザワクチンを打つことが非常に重要な意味を持つ」と話すのは、大阪大学大学院呼吸器・免疫内科学の熊ノ郷淳教授。
インフルエンザワクチンを打っても当然新型コロナ感染症の予防にはならないが、「万が一どちらかを発症している途中でもう一方に感染してしまうと、若者でも症状が重症化する可能性が高まる。そのリスクを避けるために今できることは、早めにインフルエンザワクチンを受けておくこと。ワクチン接種は自分のためだけでなく、大事な人や自分の属するコミュニティに感染を広げないことにつながる」と熊ノ郷教授はいう。
来年1月には日本政府が手配した1億2000万回分の新型コロナワクチンの接種が始まるという見通しもあるが、「その後、FDA(*1)が、『新型コロナのワクチンについても、数千から1万人規模の臨床試験で安全性を確認する必要がある』との指針を発表した。この影響でワクチン入手が先延ばしになる可能性もある。いつになるかわからない新型コロナワクチンに期待するよりも、早めのインフルエンザワクチンの接種や手洗い・うがい、マスクの着用など、今できることを徹底するのが最善の策」と話す。