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子どもへのコロナワクチン 効果は? 副反応は? 感染時の後遺症リスクは?

迷ったときに知っておきたい最新情報

 大西淳子=医学ジャーナリスト

 感染判明から4カ月(120日)以上追跡できた68人では、35人(51.5%)に1種類以上の症状が認められました。1~2種類の症状があった人が21人(30.9%)、3種類以上の症状を抱えていた人は14人(20.6%)でした。

 後遺症に、かなり/非常に困らされていた小児の割合は、追跡期間が60日未満だった患者では9.7%、60~119日だったグループでは23.3%、120日以上だったグループでは8.9%でした。

 一方英国では、英国統計局が後遺症に関する分析の結果を次々と公開しています。2021年2月に公開された追加データ(*2)によると、新型コロナウイルス感染が確定してから5週間後の時点で、何らかの症状が残っていた小児の割合は、2~11歳の小児のおおよそ12%、12~16歳のおおよそ14%でした。

小児へのワクチンの利益とリスク、英国のシミュレーション結果は…

 英国では、12~17歳の小児にワクチンを接種した場合の影響を予測する研究(*3)も行われています。デルタ株流行下で、イングランドの12~17歳の小児390万人に対し、2021年9月の新学年の始まりに先駆けて新型コロナウイルスに対するワクチンを接種した場合、どのような利益と害が予想されるかを推定した結果は以下の通りです。

 まず、2020年7月1日から2021年3月31日までに、イングランドで新型コロナウイルス感染症と診断された12~17歳の小児患者は16万9412人でした。うち、1390人(0.82%)が入院し、91人(0.054%)がICUに入院し、75人(0.044%)に人工呼吸器が装着され、11人(0.006%)が死亡していました。

 大規模な研究の結果に基づいて、これらの患者のうち12週間後の時点で何らかの症状(後遺症)を抱えている患者の割合を8%と仮定して推定すると、1万3553人となります。少なめに4%と仮定して推定すると、6777人に後遺症があったと予想されました。

 続いて、ワクチンを接種した場合に生じうる害として、接種後の心筋炎・心膜炎の発生を予測しました。米CDC(疾病管理予防センター)が示していた発生率を用いて推定したところ、初回接種後の男性では100万人当たり6.72人、2回目の接種では62.75人に発生すると推定されました。女性の場合は、初回接種後は0人で、2回目の接種後は100万人当たり8.68人と推定されました。

 ワクチン2回接種の効果については、「デルタ株感染による重症化を予防する効果は90%、デルタ株の感染自体を予防する効果は64%、感染してしまった場合に後遺症を防ぐ効果はない」と仮定しました。

 イングランドでは、2021年7月末の12~17歳の新型コロナウイルス感染率は、1週間に10万人当たり1000人で、この状態が新学年の始まりから16週間持続したと仮定すると、その間に5100人が入院し、330人がICUに入院し、280人が人工呼吸器を必要とし、40人が死亡すると推定されました(表1)。

 しかし、12~17歳の全員がワクチンを接種すれば、4590人が入院を免れ、約300人がICU入院を回避し、約250人が人工呼吸器を装着せずに済み、36人が死亡を避けられると予想されました。一方で、ワクチン関連の心筋炎・心膜炎は160人に発生すると予想されました。ワクチン関連の心筋炎・心膜炎が発生した全員が入院を必要とすると仮定しても、ワクチン接種により4430人が入院を回避できると推定されます。また後遺症の発生率が8%の場合には3万2000人が、4%なら1万6000人が、後遺症を経験せずに済むと予想されました。

 続いて、発生率が低い場合の予測も行いました。2021年4月末の、1週間の感染者数が10万人当たり50人の状態が新学年の始まりから16週間持続すると仮定すると、ワクチン接種は、入院を230件、ICU入院を18件、死亡を2件減らし、後遺症発生率が8%なら1600人、4%なら800人が後遺症に悩まずに済むと予想されました。この場合も心筋炎・心膜炎は変わらず160人に発生すると予想され、それらの人が全員入院したとしても、接種により入院は70件減ると考えられました。

表1 イングランドの12~17歳の全員がワクチンを接種したと仮定した場合の、新学年開始から16週間の利益とリスク予想
表1 イングランドの12~17歳の全員がワクチンを接種したと仮定した場合の、新学年開始から16週間の利益とリスク予想
矢印の左側の数字はワクチン接種なしの場合、右側の数字は全員が接種した場合。(データ出典:Gurdasani D. OSF Preprints, 4 August 2021.)

 著者は、「12~17歳へのワクチン接種の利益は明らかだ」と結論しています。そして、「デルタ株との戦いには過去最大の予防策が必要となり、マスクの着用と換気、ワクチン接種などがそこに含まれる」と述べています。

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