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機能性表示食品、「知っているけど買ってない」

食品の栄養に関する意識調査(3)

 小泉なつみ=フリーライター

 今年4月から「機能性表示食品」制度がスタート。「特定保健用食品」、いわゆる「トクホ」より低いハードルで食品がもたらす効能や機能を表示できるようになったことで、市場には様々な効果を謳った商品が参入している。
 そこで日経Goodayでは、ビジネスパーソンを中心とする消費者が食品の栄養表示について一体どれほど意識しているのかを大調査。2回にわたってお伝えしてきた(第1回は「『味』vs『カラダへの良さ』、食品選びでどちらを重視?」、第2回は「ビジネスパーソンが食品に求める効用、1位は『○○力』UP」)。
 最終回となる今回のレポートでは、現時点での機能性食品の認知度と、実際にどのくらいの人が活用しているのかを調べた。

【調査概要】 食品の栄養表示に関するアンケート
  • 調査期間:2015年7月22日(水)~2015年8月7日(金)
  • 調査媒体:日経Gooday(グッデイ)、日経ウーマンオンライン
  • 有効回答総数:257(男性99人、女性158人)

80%以上の人が機能性表示食品を認知

 まずは開始されたばかりの機能性表示食品についてどれだけの人が知っているのか、グラフ1を見てみよう。

【グラフ1】
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 結果は、「制度名は知っていたが内容はよく知らなかった」と回答した人も含めると、全体の80%以上が機能性食品について認知。トクホとの差まで認識している熟知派は約15%で、内容について大体知っているという人と、名前だけ知っているという人が、それぞれ約3割という内訳になった。

 程度の差こそあれ、徐々に浸透しはじめている機能性食品。ではこの新たな制度について、本当のところ皆はどう感じているのか。その結果がグラフ2である。

【グラフ2】
(%)
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健康効果については期待派と懐疑派が拮抗

機能性表示食品に対しては肯定派と懐疑派が拮抗している状況。(©zerbor-123rf)
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 「機能性表示食品は国ではなく企業による責任表示なので信用できない」(27.6%)、「いろいろと増えて紛らわしい、トクホなどとの違いがよく分からない」(24.9%)といった機能性表示食品に対する懐疑的な意見と、「同じような機能性のある商品購入時のプラス材料になる」(25.3%)、「価格帯が近い商品購入時のプラス材料になる」(24.9%)、「自分の欲しい栄養、機能性の商品がどれかが認識しやすくなる」(23.7%)といった肯定的な意見がほぼ同程度見られた。現段階では、機能性食品はなんらかのプラス材料になる、商品的に安心できるという肯定派と、信用度が低い、「トクホ」で事足りるといった懐疑派が拮抗している模様だ。

 これを裏付けるかのように、機能性表示食品で謳われている健康効果への期待度を聞いたところ(グラフ3)、「期待する」「ある程度は期待する」と答えた期待派と「あまり期待しない」「期待しない」と答えた懐疑派がそれぞれ48.7%、43.2%とほぼ五分五分。

 期待できない派の意見としてもっとも多く見られたのが、「国ではなく企業による責任表示なので信用できない」(55~59歳、女性)というもの。また、「栄養素は三度の食事でバランス良く摂取したいので、機能性表示食品や特定保健用食品はあくまで補助的な位置づけ」(35~39歳、女性)という意見もあり、機能性食品の捉え方は個人の食生活や運動習慣によっても大きな差がありそうだ。

【グラフ3】
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実際に購入した人は1割
商品では手軽に試せる飲料系に人気が集中

 では、実際に現在までに機能性食品を購入したことがある人はどれくらいいるのか。その結果がグラフ4だ。

【グラフ4】
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 実際に機能性食品を購入しことのある人はわずか1割で、知名度や期待度に対して物足りない印象。まだ市場に出回っている商品も多くないことから、様子見している人も多いようだ。

 一方、既に購入済みというアーリーアダプターに購入したものを聞いていると、ビールをはじめ、お茶やスポーツドリンクといった飲料系が圧倒的に多く、手軽に試せるアイテムが人気のようだ。

 まだ始まったばかりの機能性表示食品制度。今後も商品ごとの違いを調べつつ、生活習慣に合わせながら上手に付き合っていけるようにしたいものだ。