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暑さが和らいでも危険!運動時の熱中症

「猛暑日ではないから大丈夫」といった油断は禁物

 塚越小枝子=フリーライター

運動時は体温上昇のリスクが高いのが原因

 なぜ運動中の熱中症は、暑さのピークを過ぎた時期にも発生するのだろうか。それは、運動時は体温が上昇しやすいことと関係している。

 熱中症は、主に暑い環境下で体温調節などの身体適応能に過剰な負担がかかることで起こりやすくなる。身体が暑いと判断すると温まった血液をより多く皮膚に集めて体表面の温度を上昇させ、外気との温度差で皮膚表面から外へ熱を放散することで体温を下げようとする。つまり、皮膚に接する空気の温度が低いほど皮膚表面から空気へ伝わる熱が多くなる。

 それとは反対に、空気の温度が皮膚の温度より高い時には、熱が体に流れ込み体温が上昇する。すると今度は汗をかいて、汗が蒸発するときの気化熱を空気が奪うことを通じて、体温を下げようとする。

 これが大まかな体温調節のしくみだが、皮膚への血流増加と発汗はどちらも血液を材料としているため、適切な水分補給によって血液が確保されないままで運動を継続すると、脱水が進んだ結果として体温調節機能が適切に働かなくなり、過度の体温上昇が起こり熱中症を発症するのだ。

 運動中は筋肉でつくられる熱量が増え、例えば1時間歩いたときで安静時の約3倍の熱を発生する。長時間の、激しい運動になればなるほど体の中心部では熱が大量につくられる。こうした熱の産生は、太陽からの放射、地面からの反射による輻射熱、湿度や気流などにも左右される。

 つまり、夏の炎天下での運動は、自分の体がつくり出す熱に加え、こうした外的要因によって体温が上がりやすくなるため、熱中症のリスクにつながるのだ。だが、暑さのピークを過ぎた時期や時間帯でも熱中症が発症することは少なくない。「特に持久走やダッシュの繰り返しのような、大量の熱を継続してつくり出すような運動をしているときは要注意。また、室内でも、たとえば剣道のように防具を着用していれば熱の放散が制限されてしまうなどしし、熱中症が起こり得るので注意が必要」と只野さんは強調する。

【図2】運動時(特に炎天下)では、体温上昇の可能性が増加
日本体育協会「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」掲載の図より改編
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