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あせも、かゆみ… 汗による肌トラブルを防ぐ5つの鉄則

汗との上手な付き合い方(2)

 塚越小枝子=フリーライター

 夏は、大量にかいた汗を放置した結果、あせも(汗の通り道が詰まることによって水ぶくれや皮疹ができる)や、かゆみ、肌荒れなどのトラブルに悩む人が増える。がまんできずについついかきむしって悪化させてしまうこともあるだろう。こうした事態に陥る前に知っておきたい汗対策を、大阪大学医学部皮膚科学教室准教授・室田浩之さんに聞いた。

速乾性という意味では、肌着は「肌に密着したポリエステル」がいいってホント?(c)Tharakorn Arunothai-123rf

余分な汗を放置すると肌トラブルにつながる

前回「『汗かき下手』は肌トラブルのもと。夏の汗、上手にかこう」で、汗には多くのメリットがあり、「汗をかくこと」と「かいたあとの汗」は区別して考えるほうがよいという話をしていただきました。

室田 そうでしたね。かいた瞬間の汗は「体温調節」のほか、皮膚表面で「保湿」「抗菌」などのメリットを発揮しますが、そのメリットは時間とともに損なわれます。余分な汗は残らず蒸発してしまうのが理想ですが、衣類の性質によっては蒸発しにくいものもあるし、夏場の高温多湿環境で汗の気化を期待しても難しいときもある。そうした結果、余分な汗が蒸発せず長時間放置されると、汗の出口が詰まってあせもができたり、皮膚表面のほこりなどと混じって刺激になり、かゆみなどの肌トラブルにつながりやすくなる、という話をしました。

あせも・肌トラブルの予防と対策

ではそうした肌トラブルが起きないための対策として、具体的にはどのようなことに気をつけたらよいでしょうか?

室田 「余分な汗を長時間皮膚に残さない」ことが大切ですから、基本的には、たくさん汗をかいたあとは洗い流す、濡れた衣類は着替えるなどの対策が必要です。ただし、すぐにシャワーが使えるような環境にはないことも多いですから、普段外出しているときなどは、次に挙げる 1 2 のようなことを心がけてください。また、入浴時や入浴後に気をつける点については 3 4 を、衣類の選び方については 5 を参考にしてください。

普段気をつけること

1 手洗いは腕まで

汗はシワになっている場所にたまりやすいので、手を洗うときに同時に手首、肘から腕あたりまで水で洗い流す習慣をつけるとよいでしょう。

2 おしぼり、濡れタオルで吸い取る

おしぼりや濡らしたハンドタオルで肌を押さえるように汗を吸い取ります。乾いたタオルだと摩擦を生じる恐れがありますし、ある程度水分を皮膚に与えるほうが気化熱を生じやすいと考えられます。市販の汗拭きシートを利用してもよいですが、皮膚に炎症がある場合は、香料やパウダーなどが刺激になることもあるので注意しましょう。

入浴時、入浴後などに気をつけること

3 入浴・シャワーの温度は38~40℃のぬるめ

入浴でもシャワーでも、特に皮膚に炎症があるなど過敏になっているときは、38~40℃とぬるめにしましょう。この温度領域が壊れたバリアを回復するのに最適といわれています。

また、汗と直接関係があるか分かりませんが、皮膚が過敏なときや、ストレスで疲れているときなどは、お風呂上がりなどで皮膚が温まるとかゆくなる人が多いようです。そうした場合は、一般的には冷やすとかゆみが止まりやすいです。

4 夏でも保湿ケアを

保湿ケアも重要です。しっかりと泡立てて汗や汚れを洗い流したあとは、夏でも保湿するほうがよいでしょう。アトピー性皮膚炎の患者さん9例にセラミド(*1)ケア成分入りクリームとプラセボ(有効成分を含まない偽薬のこと)を左右の肘の内側に塗り分けてもらい、発汗量の変化を見る実験をしたところ、セラミドケア成分入りクリームを塗ったほうが発汗量が多いという結果でした(*2)。特に汗が出にくい人は、汗の出口が詰まったり、ドライスキン気味になっていますから、保湿ケアをするほうが汗が出やすくなると考えられます。

衣類選びで気をつけること

5 通気性の良い速乾性の衣類を

背中などに汗をかき、蒸れてかゆくなる人も多いようです。あせもは蒸れて汗がたまる場所にできやすく、汗の出口が閉塞してあせもができたところは、その後しばらく汗がかけなくなります(「『汗かき下手』は肌トラブルのもと。夏の汗、上手にかこう」参照)。ですから背中一面の広い範囲にあせもができてしまうと、全身の体温調節にも影響を及ぼし、熱中症のリスクも高くなります。

*1 セラミドとは皮膚の角層の水分保有に関わる成分で、外部刺激から肌を守るバリア機能を助ける働きがある。
*2 進藤翔子、室田浩之ほか 発汗学 2015;22(2):91-92.

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