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新型コロナは子どもも要注意 集団感染が増加

欧米では川崎病に似た症状を示すケースも

 大西淳子=医学ジャーナリスト

欧米では「川崎病」に似た症状を示す小児患者が急増

 続いて紹介するのは、全身の血管に炎症が起きる「川崎病」に似た症状を示した、小児患者についての報告です。

 2020年春に新型コロナウイルス感染症患者が激増し、重症者と死者が数多く報告された欧米では、川崎病に似た症状を示す小児患者が急増し、それらの多くが新型コロナウイルスに感染していた、という報告が相次ぎました。

川崎病とは

1967年に日本の小児科医である川崎富作氏(故人)が報告した原因不明の病気で、全身の血管に炎症が起きて、高熱、発疹、両目の充血、真っ赤な唇、イチゴのようなブツブツの舌、手足の腫れ、首のリンパ節の腫れといった症状が出現する。

患者は4歳以下の乳幼児が多く、東アジアの国で多くみられる。日本における患者数は年々増加している(2018年の患者数は全国で1万7364人)。

治療が進歩し、現在の死亡率は0.03%(3000人に1人以下)だが、3%弱に後遺症として心臓の冠動脈の瘤(こぶ)などが見られる。

 たとえばフランス・パリでは、新型コロナウイルス感染症の流行が最初のピークを迎えた3月31日~4月1日から2週間後に、川崎病に似た症状を示す小児患者が急増しました。4月15日から5月20日までに診断された川崎病様の患者10人(年齢は生後18カ月から15.8歳まで)について詳しく分析したところ、10人のうちの8人(80%)が、PCR検査または抗体検査により、新型コロナウイルス陽性と判定されていました。6人(60%)がICUで治療を受けましたが、人工呼吸器を必要とした患者や死亡した患者はいませんでした(*4)。

 パリでは2009年にも川崎病様疾患の患者の急増が報告されていますが、これも、当時世界中に広がっていた新型インフルエンザの流行がピークを迎えた1~3週間後でした。こうした結果は、新型コロナウイルスを含む呼吸器ウイルス感染症が、川崎病の発症と関係することを示唆しています。

 米ニューヨークでも、新型コロナウイルスに感染し、川崎病様の症状を示した小児患者17人(1.8~16歳)に関する報告がありました(*5)。17人のうち3人に発症前から軽い喘息がありましたが、ほとんどが健康な小児でした。15人が小児ICUに入院しましたが、人工呼吸器を必要とした患者、死亡した患者はいませんでした。

日本では今のところ川崎病患者の増加は見られず

 一方、もともと川崎病の多い日本の状況はどうなのでしょうか。日本川崎病学会とNPO法人日本川崎病研究センターが5月7日に発表した声明によると、今年2~4月の段階では、川崎病に似た症状を示す新型コロナウイルス感染症患者は報告されておらず、川崎病患者そのものの増加も見られていないようです(*6)。

 夏休みに入って、子どもたちが家で過ごす時間が増えました。中高生の場合は、夏休みも部活動などのために学校に行くことが多いと思います。大人だけでなく、子どもも新型コロナウイルスに感染すること、本人に症状はなくても、感染していれば唾液などを介して感染を広げる可能性があることを、子どもたちにも理解できるように説明し、大人も子どもも、感染しない/させないための対策を臨機応変に行っていく必要がありそうです。


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大西淳子(おおにしじゅんこ)
医学ジャーナリスト
大西淳子(おおにしじゅんこ) 筑波大学(第二学群・生物学類・医生物学専攻)卒、同大学大学院博士課程(生物科学研究科・生物物理化学専攻)修了。理学博士。公益財団法人エイズ予防財団のリサーチ・レジデントを経てフリーライター、現在に至る。研究者や医療従事者向けの専門的な記事から、科学や健康に関する一般向けの読み物まで、幅広く執筆。

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