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トピックス

女子200m平泳ぎ・金藤理絵選手の金メダルを可能にした食事

世界を制した見事な筋肉はどんな食事で作られたのか!?

 近藤鈴佳=フリーライター

大会期間中、朝食は炭水化物多め、夕食はたんぱく質多め

 朝:タンパク質15-20%、脂質15%、炭水化物65−70%
 夜:タンパク質20%、脂質20%、炭水化物60%

 ちなみに、何をどれだけ食べればいいかの基準を示す「日本人の食事摂取基準」2015年版では、たんぱく質13~20%、脂質20~30%、炭水化物50~65%が基準となっており、それに比べると朝食は炭水化物が多め、夕食はたんぱく質が多めだ。

 「朝食は、消化吸収の早さと、エネルギーとしての利用しやすさから炭水化物を多めに摂取するよう設定。主食や果物を多めに摂ることでこの数値を実現可能にしました。一方、夕食は翌日以降への筋グリコーゲンの回復のために炭水化物を、筋タンパクのケアのためにたんぱく質を多めにするとともに、『しっかりとおいしく』食べることを意識。脂肪比率の低い食事は味気ないため、脂質は20%と低めに維持しながらも、選手が食事を楽しみながらリラックスできるような比率として提示しました」(酒井准教授)

カロリー総摂取量とたんぱく質摂取量を入学時の1.5倍に

 酒井准教授は1日当たりのエネルギー量やたんぱく質摂取量についても、指導を行ってきた。たとえば女性選手であれば3000~3500kcal程度の食事を摂ることが、コンディションやパフォーマンスに好影響を与えると考え、選手たちに指導。金藤選手も、大学入学当時の1日の総摂取量は2470kcalだったが、食事指導を重ねた結果、2008年には3477Kcal、2009年は3285kcalと約1.5倍に増やすことができたという。

 東海大学ではウエイトトレーニングも積極的に行っており、筋量の増加にはたんぱく質の確保も重要な問題だったので、たんぱく質摂取量も、2007年は80gだったのを2008年には約120gと約1.5倍に増やした

 ちなみに、1日に必要なエネルギー量は、選手の性別や体格、そして専門種目やトレーニングボリュームによって異なるが、ある論文(※1)では、1日に17.5 kmのトレーニングに取り組む成人男性の1日の消費エネルギーは約5500 kcalと紹介されている。また、北京五輪の大会期間中のマイケル・フェルプス選手(米国の競泳選手)は、1日に1万2000 kcalもの食事を摂っていたと紹介している記事もあるという。

 「1.5倍と一言で言うのは簡単ですが、食事を1.5倍量食べるのは、思っているよりも大変なこと。例えば今日の昼ご飯1食を昨日より1.5倍多く食べるということはできますが、それが毎日、毎食普段の1.5倍摂るとなると、ひと苦労なんです」と酒井准教授は言う。 

 それでも、「泳力を求めるためには『筋パワー』が必要。筋肉を太くたくましくする『筋肥大』も目指す」という加藤監督の指導方針に沿って、女性は3000~3500kcal、男性は3500kcal超、たんぱく質摂取量も体重1kg当たり2g以上になるよう目標設定。それを実現するために、「毎食、主食・主菜(おかず)・副菜(野菜)・果物・乳製品の5つの食品群をしっかり摂ろう」ということを選手たちに繰り返し指導するとともに、必要な栄養素をしっかり摂取するため、食事だけでは補えない分はサプリメントを積極的に活用することでフォローした。

[画像のクリックで拡大表示]
※1 Trappe TA, Gastaldell A, Jozsi AC, Troup JP, and Wolfe RR. Energy expenditure of swimmers during high volume training. Med. Sci. Sports Exerc. 29: 950-954, 1997
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