夏バテはこのフルーツで乗り切る!
新しい研究報告が続々!スーパーフルーツ「キウイ」の健康効果
大塚千春=フリーライター
グリーンキウイには消化促進効果も!

実は、キウイは単に栄養が豊富な食品というだけでなく、消化促進や、便秘の改善、血糖値上昇の抑制などの健康効果も認められるという。今年4月にはこのキウイの食品機能性に注目した『第1回 キウイフルーツの栄養および健康効果に関する国際シンポジウム』がニュージーランドで開催されたほどだ。
食欲の落ちる夏には、胃もたれが気になるところ。そこでまず注目したいのは、グリーンキウイの消化促進効果だ。
グリーンキウイはキウイ特有のタンパク質分解酵素であるアクチニジンを多く含む(※2)。アクチニジンは肉類、乳製品、ゼラチンなどのタンパク質をよく分解する。キウイの果肉を使ったゼリーを作ろうとしても、ゼラチンがうまく固まらないのはこのためだ。肉を調理する前にすりおろすなどしたキウイに漬けると軟らかくなることもよく知られている。ただし、「胃の中で胃液と混ざり合っても同じように消化を促進するかどうかは、ようやく最近になって実証されてきた」と西山教授は解説する。
実験の一つは、消化酵素であるペプシンを加え胃酸と同じ酸性度(pH2)にした人工胃液に食品タンパク質を入れ、まず、体温程度の温度下で30分間消化。その後、トリプシンなどの消化酵素を加え酸性度を腸内と同様(pH8)にした人工腸液で、さらに120分間の消化を行うというもの。結果は、食肉、大豆タンパク質、カゼイン(乳タンパク質)のいずれにおいても、人工胃液にグリーンキウイの抽出物を添加した方が添加しない場合より、消化促進効果があったという(※3)。
最新の研究では、健康な成人男性10人(21~48歳)に「400gの赤身のステーキと200gのグリーンキウイ」のセットと、「同量の肉とアクチニジンをほとんど含まないゴールドキウイ」のセットをそれぞれ試食してもらい食後の状態を調べたところ、膨満感はグリーンキウイで有意に低下したという報告もある。「この実験はサンプル数が少ないが、これまでにラットや豚を使った動物実験の結果もあり、まず間違いなくグリーンキウイには消化促進の効果があるだろうと考えられる」(西山教授)という。
※3 J. Agric. Food Chem. 2010; 58: 5068-5073/J. Agric. Food Chem. 2010; 58:5074-5080
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