胃が大きくなったと思ったら、プチ断食でカラダをリセット
リバウンドしないプチ断食!成功のコツ
源川暢子=フリーライター
青木式プチ断食の実施のポイント
第1のポイントは、プチ断食は1回キリでおしまいではなく、1カ月に1〜2回の頻度で繰り返し行ってこそ効果的、ということだ。カラダをリセットして、自律神経系を整えても、元の食生活に戻ればカラダもすぐにまた元通りになってしまう。時々、意識的に“飢餓状態”を作り出し体内をリセットし続けることが必要だ。
「特にダイエット効果については、プチ断食はそれを行うこと自体より、その後で効いてきます。もちろん断食を行ったときも少し体重は減るけれど、それはただ脱水状態になっているだけで脂肪が燃えているわけではありません。食べ過ぎが常態化して満腹中枢がおかしくなり、『これだけ食べれば十分』と思える食欲の満足ポイントが上振れしている人の場合、プチ断食を行ってしっかり空腹感を味わうことでその満足ポイントを下げることができるのです。いわば、“胃袋が小さい状態になる”わけで、プチ断食実施後もその下がった満足ポイントを維持したり、満足ポイントが上がってきたなと思うたびにプチ断食を繰り返すうちに、少食でも満足できる“やせ体質”になれるのです」(青木先生)。
第2のポイントは、プチ断食実施中は、プロバイオティクス系のヨーグルトを食べるのがお薦めだということ。「プチ断食により胃腸を休ませると同時に、普段の食生活で乱れている腸内細菌叢を整えることもでき、その点においてプロバイオティクス系ヨーグルトは有用です」(青木先生)。
そして第3は、短期間とはいえ、平日に仕事をしながら実践するのは困難なので、週末などを利用して行うと無理なく実施できるということだ。
それ以外のポイントを含めた、具体的な実践方法や注意点は次の通りだ。
◆青木式プチ断食のポイント◆
- 1) 軽めの夕食(できれば和食系)に
- 2) アルコールはなるべく飲まずに早めに就寝
- 3) 仕事などのことは一切忘れてリラックスする
- 1) 1日目〜2日目の昼までは、プロバイオティクス系ヨーグルトを朝、昼、晩の3食摂取する
- 2) 栄養補助ドリンクも3食ごとに摂取する。豆乳と野菜ジュースでの代用も可
- 3) 水分はミネラル炭酸水(甘くないもの)にレモン果汁を絞って、1日1.5〜2L摂取。1回300mLくらいをこまめに分けて摂る。これはいくら摂ってもよい
- 4) 2日目の晩は、お粥と具のない味噌汁か吸い物を摂って、翌日に備える。
- 1) 終了後、最初の食事はいつもより軽めにする
- 1) 禁煙、禁酒が基本
- 2) 空腹でイライラするときは、アロマテラピーもおすすめ。バニラのエッセンシャルオイルやグレープフルーツの香りがよい
- 3) 風邪気味、生理中など体調が悪いときはやらないこと
- 4) 終了後のドカ食いに注意!
断食といっても、固形物を摂らずに胃腸を休ませる方法なので、思ったほど辛くないのもうれしいところだ。
「1回目のプチ断食で、空腹感をしっかりと経験すること。これを2週間に1回程度行うことで空腹感が習慣化し、3カ月ほど続けると満腹中枢の満足ポイントが確実に下がり始めます」(青木先生)
また、プチ断食で空腹時間を長くすることで、過食を防ぐホルモンであるレプチンが分泌され、長寿遺伝子であるサーチュインも活性化されるという。
ダイエットのための断食ではなく、自律神経を整えるため効果があるプチ断食で、やせやすい体づくりを目指そう!
横浜クリニック院長 東京皮膚科・形成外科銀座院 内科部長

1961年東京都生まれ、1988年防衛医科大学医学部卒。防衛医大、東大医学部付属病院などで、内分泌・代謝内科、腫瘍内科の臨床研究に従事。「老化が病気を引き起こす」という観点からアンチエイジング(抗加齢)医学のフィールドにおいて早くから活躍。2007年から2012年まで順天堂大学大学院に開設されたアンチエイジング医学の講座「加齢制御医学講座」の准教授に就任し、抗加齢医学の臨床・研究・教育にも従事。2008年7月からは横浜クリニックにおいて、“老化による免疫力の低下”ががんを進行させるという観点から、免疫療法に力を入れた診療も行っている。ダイエット外来は、東京皮膚科・形成外科銀座院にて行っている。