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明らかになってきた「コロナ後遺症」の実態

「疲労感が強く、頭にモヤがかかったような状態」 厚労省も調査に乗り出す

 大西淳子=医学ジャーナリスト

 新型コロナウイルスの感染者数が全世界で1600万人を突破するなか、このウイルスに感染・発症し、回復した患者の後遺症に関する情報も少しずつ蓄積されてきました。日本国内では、7月に入って、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を発症し、軽症で済んだ若い患者が、PCR検査が陰性となった後も体調不良に悩み、元の生活になかなか戻れないなど、この感染症の後遺症と考えられるケースが報道されています。

 世界でも、新型コロナウイルス感染症の回復後の患者を苦しめるさまざまな症状について調べた論文が、次々と発表されています。それらをいくつか紹介していきましょう。

新型コロナでは退院後も後遺症に悩まされる患者が多いことが分かってきました。(写真提供:NIAID)

軽症患者の半数に、1カ月後も味覚や嗅覚の異常

 まずは、回復後も続く味覚障害嗅覚障害について調べたイタリアの論文(*1)です。嗅覚や味覚の異常は、新型コロナウイルス感染症の初期症状として多く報告されていますが、イタリア・パドヴァ大学の研究者らは、こうした症状が1カ月も持続する患者が少なくないことを明らかにしました。

 対象となったのは、新型コロナウイルス感染症の発症時点で味覚障害または嗅覚障害があった113人の軽症患者です。これらの患者の経過を4週間後まで追跡したところ、55人(49%)は味覚障害・嗅覚障害の症状が消失していましたが、症状は改善したものの持続していた患者が46人(41%)、症状が継続または悪化していた患者が12人(11%)いました。これらの症状の持続は、新型コロナウイルスの感染の持続とは関係していませんでした。

入院した患者の9割が退院後も疲労感や呼吸困難に悩む

 やはりイタリアで行われた別の研究では、新型コロナウイルス感染症で入院治療を受け、2回のPCR検査で陰性が確認されて退院した患者143人がその後に経験した、さまざまな症状について報告しています(*2)。

 143人の平均年齢は56.5歳、女性が37%でした。18人(13%)はICUに入院した患者で、77人(54%)が酸素療法を受けており、21人(15%)は非侵襲的な機械的人工換気(マスク式の人工呼吸器による換気)を、7人(5%)は侵襲的な機械的人工換気(気管チューブ、気管切開チューブなどを介した人工呼吸器による換気)を受けていました。入院期間の平均は13.5日でした。

 発症から平均60.3日、退院からは36.1日の時点で、持続する症状の有無を調べたところ、症状がなかった人は18人(13%)にとどまり、残る125人(87%)には何らかの症状がありました。

 持続していた症状として最も多かったのは疲労感(53%)で、続いて呼吸困難(43%)、関節痛(27%)、胸痛(22%)が多く報告されました。ほかには、咳、嗅覚異常、乾燥症、鼻炎、目の充血、味覚異常、頭痛、痰、食欲不振、咽頭痛、めまい、筋肉痛、下痢などが継続していました。症状の数が1つから2つだった人が46人(32%)、3つ以上あった人が79人(55%)で、QOL(生活の質)の低下は63人(44%)に認められました。

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