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子供の熱中症予防 運動15分ごとに電解質含む水分を

熱中症予防のポイント

 塚越小枝子=ライター

激しい運動時は15分おきに水分補給を

 1日に必要な水分量は、体重1kg当たりで考えると、おおよそ新生児で100mL、学童で60~80mLと、成人の30~40mLよりも多い。 ただし、「夏場に運動していると、スポーツドリンクを2L飲んでも、熱中症になってしまうこともあります」と十河さんが言うように、必要な水分量は体重やその日の体調、季節などによっても変化するため、一概に何mLと決めず、状況に応じて判断する方がよいそうだ。

 暑さに慣れていない時期、激しい運動をするとき、炎天下で活動するときなどは、15分おきを目安に、飲みたい量を飲むのが基本。真水ではなく、ナトリウムやカリウムなどの電解質を含んだ水分を飲むことも大切だ。

 「汗には塩分が含まれていますから、発汗で失われた塩分を補わなければ、体液の塩分濃度が薄まってしまいます。その上で真水を飲むとさらに体液を薄めることになりますから、本能的に真水は飲みたくなくなるようです。特に、真夏の運動時など脱水のリスクが高いときは、スポーツドリンクでも明らかに塩分が足りません。できれば経口補水液か、スポーツドリンクの中に塩化ナトリウム(塩)のタブレットか塩を溶かしたものを飲むことをお勧めします」(十河さん)

 500mLのスポーツドリンクの場合、目安として0.5~1gの塩を加えると、経口補水液の塩分濃度に近づけられるという。塩化ナトリウムのタブレットに置き換えると、製品にもよるが、1錠当たり0.45gの食塩を含有するものなら1~2錠溶かせばよい。ただし、「塩分チャージ用」をうたうサプリメント・食品の中には塩分含有量が少なく糖分が多いものもあり、そうしたものは激しい運動時の塩分補給としてはあまり意味がないという。

 運動する前にある程度水分・塩分を確保しておき、運動中もこまめに補給する。そして、運動後にも失われたナトリウムなどの電解質を含めてしっかり補給して元の状態に戻すことが大切だ。

水分補給は食事を含めてバランスよく

 日常生活でも、汗を多くかくようなときはスポーツドリンクや経口補水液を選ぼう。また、麦茶にはカリウムやリン、マンガンが含まれるがナトリウムは入っていないので、梅干しなどを追加して塩分を補給するのもよい。

 「夏場、スイカに塩をかけて食べる習慣は、スイカの水分・カリウムとともにナトリウムもとれるので、理にかなっていると思います。塩分を含む味噌汁や冷や麦、野菜や果物からも電解質がとれますから、食生活全体からきちんと必要なものを補給する工夫も大事です」(十河さん)

 運動もせず、それほど発汗が多くないのにスポーツドリンクなどのイオン飲料を日常的に飲み過ぎると、糖分のとり過ぎで血糖値が上がり、利尿作用で尿が増えたり、肥満などのリスクにもつながったりするため注意したい。イオン飲料はあくまでも運動時の発汗などで失われた水分・電解質を補うものと考えよう。ジュースも同様に糖分の過剰摂取に要注意だ。

 十河さんいわく、「熱中症対策は先手必勝」。暑い環境にいて水分を失った後に何らかの症状が起こった場合は、熱中症を疑う。自分で判断するのが難しい場合は「こども医療でんわ相談」(♯8000)などに相談するといい。

 「子供の熱中症を防ぐには大人の配慮が不可欠です。せめて重症に至る前のI度の段階で気づいて対処したいものです」(十河さん)

 もちろん、その前に脱水症に陥らないよう、日ごろの水分・電解質補給を徹底することが第一であることは言うまでもない。

(図版作成 増田真一)

十河剛(そごう つよし)さん
済生会横浜市東部病院小児肝臓消化器科副部長、医学博士
十河剛(そごう つよし)さん 1970年東京生まれ。1995年防衛医科大学校医学科卒。日本小児科学会認定小児科専門医、日本肝臓学会認定肝臓専門医・指導医、日本消化器内視鏡学会認定消化器内視鏡専門医、日本医師会認定健康スポーツ医、躰道七段教士、NPO法人日本躰道協会理事、合気道二段、剣道二段。自宅敷地内に道場を建設し、Sogo Budo Academy International設立。子供や学生への指導を行っている。

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