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いよいよリオ五輪、ジカ熱の最新情報を総まとめ

ブラジルでの流行はピークを過ぎる、だが蚊対策は万全に

 大西淳子=医学ジャーナリスト

国内の状況 ~帰国者7人が発症~

 これまでのところ、日本国内でジカウイルスに感染した患者はいませんが、今回の中南米でのアウトブレイク以降に、流行国から帰国した7人が国内でジカウイルス感染症を発症しています。

 流行地域でジカウイルスに感染し、日本に帰国(入国)した人が国内で蚊にさされると、日本の蚊がジカウイルスを持つことになります。その蚊が別の人を刺した場合に、国内で感染者が発生する可能性があります。

 ジカウイルス感染症について詳しく知りたい方は、厚労省のQ&Aページ(*7)をご覧ください。厚労省は啓発用のポスターなども提供しています(*8)。

 政府は、2016年6月を「夏の蚊対策広報強化月間」に指定し、ジカウイルス感染症の予防を目的とする、「蚊を増やさない」、「蚊に刺されない」ための国民運動への協力を呼びかけました(*9)。残念ながら、十分に周知されないままに終わってしまったようです。

 五輪直前の今こそ、「蚊を増やさない」よう、おのおのが自宅周囲のたまり水を捨てるなどして、蚊の発生源をなくしましょう。

妊婦の感染が恐いわけ

 仏Pasteur研究所のSimon Cauchemez氏らが、ブラジルに先駆け2013~2014年にアウトブレイクが発生した仏領ポリネシアのデータを分析したところ、妊娠初期のジカウイルス感染による小頭症のリスクは0.95%と推定されました(*10)。

 2015年にブラジルで発生したアウトブレイクでは、ジカウイルス感染による可能性がある小頭症や中枢神経系の発達異常が疑われる小児が、数千例報告されています。米CDCのMichael A. Johansson氏らが、ブラジルで収集したデータを分析したところ、妊娠初期のジカウイルス感染のみが小頭症のリスクを上昇させることが示唆されました(*11)。

 ここまでの研究は、ジカウイルス感染症を疑わせる症状を経験した妊婦を対象にしていました。そこで、コロンビアのInstituto Nacional de SaludのOscar Pacheco氏らは、別の方向から分析を試みました。2016年1月から2016年4月までに報告された小頭症児50人を対象に、胎内でジカウイルスに感染していたかどうかを調べたところ、4人が胎内感染していました。しかし、4人の母親は全員が、妊娠中にジカウイルス感染症を示唆する症状を経験していませんでした(*12)。

 小頭症児の出生を避けるためには、妊婦が妊娠初期にジカウイルスに感染しないことがなにより重要です。具体的には、ジカウイルスを媒介する可能性がある蚊に刺されないこと、ジカウイルスに感染した可能性があるパートナーとの性行為は回避する、または慎重に予防策を取る必要があります。

 2016年7月25日に発表された最新の研究(*13)では、今回の流行が終息するまでに、中南米とカリブ海地域全体で、165万人の妊婦を含む9340万人がジカウイルスに感染する可能性が示唆されています。これは、米Notre Dame大学のT. Alex Perkins氏らが、南北アメリカ大陸でのジカウイルス感染の流行の推移を予測するシミュレーションを行った結果です。小頭症などの関連症状を有する子どもを出産するのは、妊娠初期に感染した妊婦の1%、と控えめに仮定しても、ジカウイルス関連の先天異常を背負って生まれる子どもは、この地域だけで数万人になると予想されました。

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