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これからのオンライン診療はどうなるの?

第2回 オンライン診療の未来と課題

 梅方久仁子=ライター

被災地の医療支援でICTを活用

東日本大震災後に石巻で支援活動されたときにも、ICTを活用されたとうかがっています。石巻での活動をご紹介いただけますか。

『在宅医療から石巻の復興に挑んだ731日間』(日経BP社)

武藤 震災後の5月に石巻を訪ねて、「ともかくやらなければ」という思いに駆られて、支援活動を始めました。

 被災地では医療へのアクセスが非常に悪くなっている中で、震災直後に全国から入った医療支援部隊は、徐々に引き上げつつありました。そこで私たちは、継続して医療を提供し続けられるように、在宅医療クリニックを起ち上げました。このクリニックは、現在も続いています。

 次に、在宅診療のスタッフ間だけでなく、地域の医療や介護を連携するためのICTシステムを作って定着させました。地元医師会や薬剤師会と協力し、市や県の理解を得て、スマートフォンに触ったことがなかった人たちに操作を教え…という具合です。まったく使われていなかったものが、今は9割くらいの関連施設で使っていただくまでになりました。

 最後に、医療とは別に、地元の保健師さんや支援団体と協力して、地域を戸別訪問して在宅被災者の状況やニーズを確認する活動を行いました。それをクラウドのデータベースにまとめて分析し、必要な支援物資を届けられるようにしました。これは3年間と期間を決めてやったので、今は行っていません。これらの活動については『在宅医療から石巻の復興に挑んだ731日間』(日経BP社)という本に詳しくまとめています。

被災地という医療アクセスが不足する地域で、医療や被災者支援にICTをフル活用されたわけですね。

武藤 そうですね。被災地は、日本がこれから迎える超高齢社会の縮図ではないかと感じました。被災地での活動は、これからの医療の課題を解決していくうえで、貴重な経験となっています。

個別医療の時代には医療情報のネットワーク化が必要

これからの日本は高齢化がますます進み、多くの人が100歳まで生きる百寿社会になると言われています。今後の医療はどうなっていくのでしょうか。

武藤 これからは、個別化医療の時代だと思います。私は在宅医療で多くの患者さんを診てきましたが、人は一人ひとり違います。「この病気にはこの治療法」という形で、同じものを押しつけるわけにはいきません。その一人ひとり違う人生に合わせて、生活習慣や価値観、遺伝情報にまでも対応する個別の医療が必要となるでしょう。

 これを実現するためにネックになるのが、今の日本では個人が自分の医療情報を所有しにくいことです。患者さんの日常を把握できる手段が少ないことも課題の一つです。せっかくウェアラブル端末で健康情報を集めても、それが医療情報や遺伝情報と組み合わせて利用できないと、医師にとっては意味がありません。

 医師が個別化医療を提供するには、一人ひとり違う患者さんの医療情報を知る必要があります。また、それらの医療情報をがネットワークにつながるようになれば、医療の形はさらに便利になるかもしれません。

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