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機能性表示食品制度で注目集めるEPAって?

血液をサラサラにし、運動効果も高めるEPAパワーをチェック

 伊藤和弘=フリーライター

医薬品になるほどの血液サラサラ効果

 80年代に入ってから、小林薬局長も所属していた千葉大学医学部附属病院のチームが、国内の漁村部と農村部で「血液粘度」の違いを調べた。粘度が高い血液は俗にいうドロドロ。流れにくく、詰まりやすいため、心筋梗塞や脳梗塞を起こしやすくなる。

 「調査の結果、農村と漁村ではEPAの摂取量がそれぞれ1日0.9gと2.7gで3倍の差がありました。血液粘度に加えて、虚血性心疾患や脳血管疾患の死亡率にも違いがあり、明らかに漁村のほうが低いことが分かりました」(小林薬局長)

 つまり魚を食べる機会が多く、EPAをたくさん摂っているほうが血液サラサラで、心筋梗塞や脳卒中を起こしにくいということがうかがえる結果が出たわけだ。これを裏付けるように、農村部の人たちに魚油をのませると血液粘度が下がったという。

 その後、EPAが血液中の中性脂肪を下げ、血小板が固まるのを抑えることも確認された。赤血球、血小板、中性脂肪と、EPAはさまざまなところで働いて粘度を下げ、血液をサラサラにするというわけだ。20世紀末にはEPAを主成分とした「中性脂肪を下げる医薬品」も発売された。

1万メートルのタイムが大幅に短縮

 最近ではEPAの新たな機能性を探る研究も始まっている。EPAが「運動時の持久力を高める」というのだ。

 日本水産が順天堂大学の駅伝選手たちに、1日1.6gのEPAを含むサプリメントをのんでもらったところ、4ヵ月後、EPAをのまなかった選手たちの1万メートル走のタイムが平均5秒短縮したのに対し、EPAをのんだ選手たちはなんと51秒も短縮したという。

 その理由はやはり「赤血球を柔らかくする」ことと推測されている。血行が良くなった結果、全身の細胞に効率よく酸素が運ばれたのだろう、ということだ。

 そんなEPA、前述した通り青魚に多く含まれるが、日本人の魚の摂取量は年々減り続けている。かつては肉より魚の摂取量が多かったのに、2009年以降は逆転してしまった(グラフ参照)。

日本人の魚と肉の摂取量推移(数字は国民1人1日当たりのグラム)
厚生労働省「国民栄養調査」「国民健康・栄養調査」

 一方、厚生労働省の人口動態調査によると、「心疾患の死亡数」は1980年に12万3505人だったのが2010年は18万9360人と、30年で1.5倍に増えている。もしかすると、魚の摂取量が減っていることも関係しているのかもしれない。

 厚生労働省が定めた「日本人の食事摂取基準」では、EPAとDHAを合わせて1日1g以上摂ることを推奨している。「できれば1日3食のうち、1食は魚を食べるようにしてほしい」と小林薬局長は話す。毎日の食事で摂るのは自信がないという人は、サプリメントを上手に利用するといいだろう。

小林悟(こばやし さとる)さん
晴山会平山病院 薬局長
小林悟(こばやし さとる)さん

1972年、東邦大学薬学部卒業。千葉大学医学部附属病院勤務、東京医科歯科大学附属病院勤務を経て、2008年に城西国際大学薬学部教授に就任。13年から現職。

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