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熱中症・夏バテ予防に…意識したい「糖質+ビタミンB1」

熱中症を予防する食事のとり方

 伊藤和弘=ライター

ブロッコリー、ニンジンなどにも抗酸化物質は豊富。写真はイメージ=(c)PaylessImages-123RF
ブロッコリー、ニンジンなどにも抗酸化物質は豊富。写真はイメージ=(c)PaylessImages-123RF

 抗酸化物質にはいろいろあるが、代表的なものは抗酸化ビタミンとも呼ばれるビタミンA、C、Eだろう。Aの多い食品はレバー、ウナギ、ニンジン、ホウレンソウなど。Cの多い食品はピーマン、ブロッコリー、ゴーヤ、トマトなど。Eはモロヘイヤ、カボチャ、アーモンドなどに多い。

 「ビタミンA、C、Eは合わせてとると相乗効果があり、より抗酸化力が高まります。複数のビタミンをとるコツはカラフルに食べること。赤、黄、緑など、色とりどりの野菜をとるように心がけてください」(小川さん)

 ビタミン以外にもトマトのリコピンに代表されるように、野菜は自身を酸化から守るためのフィトケミカルという抗酸化物質も持っている。フィトケミカルは細胞膜の中にあるため、個々の細胞を壊さないと吸収されにくい。時間をかけて煮込むスープなどがベストの調理法だ。

鶏の胸肉は「疲労回復物質」を増やす

 ビタミンB1、抗酸化物質と、この時期とりたい栄養素を紹介してきたが、肉や魚、卵、乳製品などに含まれ、細胞の原料となるたんぱく質は、最も重要な栄養素といっても過言ではない。不足すると体内のたんぱく質を分解して補おうとするため、筋肉の量が減って体力が落ち、疲れやすくなってしまうのだ。たんぱく質を構成する20種類のアミノ酸のうち、体内で合成できない9種類は必須アミノ酸と呼ばれ、食品からとるしかない。

 また、アミノ酸が数個つながったものをペプチドと呼ぶが、最近注目されているのが鶏の胸肉やマグロに多いイミダゾールジペプチドだ。「長時間移動する鳥や魚の肉にたくさん含まれている成分で、疲労回復効果があります」と小川さんは話す。

 前に触れたように、脳が疲労を感じるのは疲労物質FFが発生するため。FFが増えることで、心臓病や糖尿病を引き起こす可能性もあるという。FFによって傷ついた細胞を修復し、疲労を取り去るために体内で作られるのが「疲労回復物質FR(Fatigue Recover Factor)」と呼ばれるもの。先述のイミダゾールジペプチドには、この疲労回復物質FRを増やす作用があるといわれる。ちなみに、適度な運動、リラックス、十分な睡眠によっても疲労回復物質FRは増えるという。

1日1杯の味噌汁を

 もちろん熱中症対策として、水分の補給は基本だ。「夏の1日に必要な水分は体重(キログラム)×30mLが目安です」と小川さん。体重60キロの人なら1800mLとなる。

 「熱中症予防にスポーツドリンクを飲む人もいますが、糖分や塩分が多く含まれています。熱中症になったときは体内に素早く水分を取り込めるので有効ですが、予防として日常的に摂取することは健康な人にはあまり好ましくありません。麦茶やミネラルウォーターなど、無糖のものを選びましょう」(小川さん)

 たくさん汗をかく夏は水分だけでなく、塩分(塩化ナトリウム)の補給も忘れてはいけないといわれる。しかし、日本人は塩分をとりすぎている人が多い。2016年の「国民健康・栄養調査」によると、成人男性は1日10.8グラム、成人女性は9.2グラムも食塩をとっており、世界でもトップクラスの摂取量だ。ちなみに、「日本人の食事摂取基準(2015年版)」では男性8グラム未満、女性7グラム未満を、WHO(世界保健機関)は1日5グラム未満を推奨している。

 塩分のとりすぎは血圧を上げ、動脈硬化を進める。長時間屋外にいたり、激しい運動で大量に発汗した場合は別として、「通常の食生活で塩分が不足することはないので、必要以上にとることはありません」と小川さんは注意する。

 大量に汗をかいたときは、ナトリウムとともにカリウムも排せつされる。カリウムにはナトリウムの排せつをうながして血圧を下げる作用もあるので、特に血圧が高い人は積極的にとるといい。カリウムは豆類、イモ類、海藻、野菜に多く含まれている。

ナトリウムとカリウムの摂取方法としては、味噌汁もお勧め。写真はイメージ=(c)jedimaster-123RF
ナトリウムとカリウムの摂取方法としては、味噌汁もお勧め。写真はイメージ=(c)jedimaster-123RF

 ナトリウムとカリウムの摂取方法として、小川さんは味噌汁を勧める。

 「海藻類の具材でカリウムもとれるし、適度な塩分を含みます。夏バテ、熱中症予防には朝に1杯の味噌汁を。発酵食品の味噌によって腸内環境が整えられ、免疫力もアップします」(小川さん)

 腸には免疫細胞の7割が集まっているので、腸内環境が良くなると免疫力が上がる。腸内の善玉菌を増やすには、味噌や納豆などの発酵食品を積極的にとること。善玉菌のエサとなる食物繊維やオリゴ糖、腸自体に直接良い働きをするオメガ3系脂肪酸(シソ油に含まれるαリノレン酸や魚に含まれるDHA・EPAなど)をとるのもいいという。

 水分はもちろん、必要な栄養素もしっかりとって夏バテ、そして熱中症を防いでほしい。

小川昭子(おがわ あきこ)さん
日本インナービューティーダイエット協会インナービューティープランナー。管理栄養士
小川昭子(おがわ あきこ)さん 大学卒業後、東京都内の病院で管理栄養士として勤務。疾患別栄養指導、特定保健指導など、これまでにのべ2000件以上の栄養指導を行う。日本インナービューティーダイエット協会ではメイン講師を務め、「食べてキレイになるダイエット」をモットーにダイエットのカウンセリングも開催。

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