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「新型コロナの第2波は来ているのか?」「再感染はあるの?」

川崎市健康安全研究所所長・岡部信彦氏 講演会報告

 梅方久仁子=ライター

発症から10日過ぎると、PCRが陽性でも人にはうつさない

 新型コロナは発症して5日から1週間くらいで8割の人が治るが、重症化する人はこの頃から肺炎になる。軽症の期間中に急激に重症化する人が出るので、症状の変化には注意が必要だ。また、この病気は発症するちょっと前から人にうつしはじめるところがやっかいだ。

 ただ、他人に感染させるリスクが高いのは発症5日目までで、軽症や中等症の患者では、発症して10日くらいたつと、人にうつす(感染力を持つ)ウイルスが体からほとんど出てこなくなる(図4)。つまり、発症から10日経てば、たとえPCR検査が陽性でも他人にうつす心配はほとんどなくなると考えていい。

図4 人に感染させるウイルスの検出頻度の変化
症状が現れてから約10日で、人に感染させるウイルス(培養陽性になるウイルス)の検出率は5%未満になる。(出典:Wolfel R, et al. Nature. 2020;581:465-469.)

 PCR検査は、体の中にウイルスの遺伝子の一部があるかどうかを調べる検査だ。感染力の有無にかかわらず、壊れたウイルスのかけらが体の中にあるだけでも陽性になる。したがって、なんでもかんでもPCR検査をやると、間違った判断(例えば、既に人にうつす心配のなくなった患者を隔離するなど)につながる可能性がある。

やみくもにPCR検査をすればいいというわけではない

 PCR検査以外の診断法として、インフルエンザの検査のような抗原検査キットが出てきている。抗原検査はウイルス量が少ないと陰性になり、PCR検査よりも感度は落ちる。しかし、陰性になるということは、たとえ感染していてもウイルス量が少なく他人にうつしにくいということだ。感度は落ちても、使い方次第では役に立つと考えている(関連記事はこちら)。

 感染後に体の中で作られる抗体を検査する方法もある。しかし、抗体は病気が終わり始めてからようやく現れてくるものなので、抗体の存在で分かるのは、「以前そのウイルスに感染したことがあるかどうか」ということだけだ。抗体が陽性でも既に人にうつさない状態かもしれないし、陰性でも今まさに感染していて、ウイルスを出している状態(まだ抗体価が上がってきていない段階)かもしれない。

 一口に検査と言っても、目的をしっかり定めて使い分けることが大事だ。病気を診断するために行うのか、行政が感染の広がりを把握するために行うのか、健康診断として行うのか。やみくもにPCR検査を拡大すればいいわけではなく、多様な検査方法の役割や特徴を理解し、上手に組み合わせて使い分けなくてはならない。

ウイルスの再燃、慢性化、再感染はあるのか?

 新型コロナウイルスに感染し、治ってPCR検査が陰性になったあと、しばらくしてまた陽性になり、発熱したという例が報告されている。ただ、その人が再度感染をしたのか、体の中に潜んでいたウイルスが再燃したのか、といったことは、現時点でははっきり分かっていない。(水痘・帯状疱疹ウイルスや肝炎ウイルスのように)このウイルスが体の中に潜伏して再燃したり、慢性化することがあるかどうかは不明だが、例えば血管炎を起こしたり、精神的な影響を与えたりする可能性はあるかもしれない。

 再感染についても、まだなんともいえない状況だ。例えば、従来の鼻風邪を起こすコロナウイルスや、子どもに多いロタウイルスは、一度かかった人が何度もかかることはある。新型コロナが、一度かかれば二度とかからないウイルスなのか、何度も感染するウイルスなのかは、まだ明らかになっていない。

新型コロナ
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