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「新型コロナの第2波は来ているのか?」「再感染はあるの?」

川崎市健康安全研究所所長・岡部信彦氏 講演会報告

 梅方久仁子=ライター

新型コロナは大人の病気 死亡数は圧倒的に高齢者に多い

 新型コロナウイルス感染症の致死率は年齢が高くなるほど上がる(表1)。若者は大丈夫とは言い切れないが、主に高齢者にとって重篤な病気だといえるだろう。日本の場合も、世界と同様、重症者や死亡者は圧倒的に高齢者に多い。世界的に見ても10代以下の子どもの感染者数は明らかに少なく、大人の病気と言える。また、糖尿病、腎臓病などの基礎疾患がある人も重症化しやすい。

表1 日本における新型コロナウイルス感染症の年代別死亡率(%)
全体 10歳
未満
10代 20代 30代 40代 50代 60代 70代 80代
以上
4.4 0.0 0.0 0.0 0.1 0.4 1.0 4.7 14.2 28.3

死亡率は、陽性者に占める死亡者の割合。(出典:厚生労働省発表資料、7月15日時点)

 コロナウイルスの表面にはいくつもの突起がある。この突起が人の体の細胞にくっついてウイルスが細胞の中に侵入し、増え始めると病気の原因になる。人の体の細胞には、特定のウイルスや薬がくっつきやすいレセプター(受容体:hACE2)があり、ウイルスは、このレセプターを入り口にして、細胞の中に入っていく。重症肺炎を引き起こしたSARS(重症急性呼吸器症候群)の場合は、SARSと結びつきやすいレセプターを持つ細胞が肺に多く、上気道(鼻や口、のど)などには少なかった。

 一方、新型コロナウイルスの場合は、肺にも上気道にもレセプターがある。そのため、上気道に感染するだけで軽症で済む人が多い一方、肺まで侵入して重症になる人が一定数いると考えられている。

 子どもはこのレセプターの数が少ないので、軽症で済むのではないか、という説もある。ただし、まだきちんと確認されているわけではないと思う。

新型コロナウイルスの表面には突起があり、人の細胞のレセプター(受容体)にくっついて細胞の中に入り込む。(提供:NIAID)

8割の人は誰にもうつさない 大部分の感染は「3密」で起きている

 厚生労働省の新型コロナウイルス感染症対策本部クラスター対策班(※当時)が日本で発生した110例を追跡した調査では、感染した人の約8割は他人に感染させていないことが分かっている(図3)。ところが、ときどき1人が大勢の人にうつしてしまうケース(クラスター発生)が起こる。どういうときにうつるかを調べると、換気の悪い密閉空間で、多くの人が密集していて、近距離での会話や発声が行われた(密接)、という状況があることが分かった。

図3 1人の感染者が生み出す2次感染者数
(出典:厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策本部クラスター対策班 発表資料)
[画像のクリックで拡大表示]

 そこから、「3密(密閉・密集・密接)」を避けようという言葉が出てきた。3密のうち1つの条件だけであれば大丈夫、というわけではないが、3つの条件を1つずつ減らすことで、感染のリスクは減っていく。

 感染経路に関しては、新型コロナウイルスはエアロゾル感染をするのではないかという報告があり、話題になっている。エアロゾル感染と空気感染は異なり、もし新型コロナウイルスがペストのような空気感染を起こすウイルスなら、今のような患者数に収まるはずがない。また飛沫感染よりは拡散が広いエアロゾル感染も可能性としてはあり得るが、その頻度は高くなく、主な感染ルートは、人が咳やくしゃみ、会話の際に吐き出す飛沫に包まれたウイルスによる(飛沫感染)といえるだろう。

 飛沫は細かい水滴なので、重量がある。そのため1~2mくらい先で下に落ちてしまう。また、風が吹いていればすぐに拡散してしまう。そのため戸外ではうつりにくく、室内では換気が重要になる。

 飛沫を防ぐには、マスクが有効だ。ウイルスの侵入を防ぐ効果もあるが、誰がうつす側(ウイルスを吐き出す側)になるか分からないので、人と人との距離が近い場合はマスクをするのがエチケットだ。ただ、他の人と十分に離れている場合にはマスクの意味はない。暑い場所でマスクを付けていると、熱中症の危険もある。外で犬の散歩をしたりジョギングをするようなときには、近くに人がいなければマスクをしないほうがいい。

 飛沫感染のほか、例えばくしゃみを押さえた手で何かものを触り、これをまたほかの人が触るなどしてうつることがある(接触感染)。そのため、顔を触らない、こまめに手の消毒や手洗いをする、といったことも感染予防になる。

新型コロナ
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