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熱中症予防のコツ 日よけは窓の内側ではなく外側に

熱中症を防ぐ住まい方

 伊藤和弘=ライター

 日よけというと、つい日当たりのいい南の窓を重視しがち。ところが夏の場合、実際に当たる日射量(熱)は南よりも東や西の方が多くなっている(図3)。

夏は太陽が高い位置に上るため、家を直方体に見立てた場合、屋根などの水平面に比べ、南側の窓への日射量はさほど多くない。むしろ、東面や西面の窓への日射量のほうが多い(松原斎樹さん提供資料を基に作成)
[画像のクリックで拡大表示]

 「1平方メートル当たりの日射熱を見ると、南面はピークの12時ごろでも200ワット程度。それに対して、朝(7~9時)の東面、夕方(15~17時)の西面はそれぞれ約600ワット。南面の3倍もの日射熱が入射します」(松原さん)

 夏は太陽高度が高くなるため、南の窓は意外と直射日光が当たらない。しかし朝と夕方は太陽高度が低いので、東西の窓はよりストレートに日光が当たることになる。ちなみに1平方メートル当たり600ワットということは、幅2メートル高さ2メートルの西向きのガラス窓で日よけがない場合(透過率0.9)、直達日射量は1000ワットの電気ストーブ2台分に相当する。南よりも、むしろ東西の窓の日よけを重視しよう

 松原さんらは高齢者の家の屋外にシェードを取りつけて、室温の変化を調べた。室温が下がった家は10軒中9軒。シェードで直射日光をさえぎるだけで、0.5~1℃ほど室温が下がることが確認されたという。

換気のコツは1階と2階の窓を開けること

 長時間エアコンを使いたくない人は、上手に換気して体感温度を下げる工夫をするといいだろう。

 換気のタイミングは夕方から夜にかけて。室温よりも屋外の気温の方が高い昼間は、窓を開けると熱い空気が入ってきて逆効果だが、一般に夕方以降は屋外の気温の方が低くなるので、窓を開けると冷たい空気が入ってきて室温が下がる。

 一戸建ての場合、1階と2階の窓を開けるのがコツだ。日射により屋根が加熱され、熱い空気は上に行くので、夏に閉めきっている家は1階よりも2階の方が暑くなる。そのとき両方の窓を開けておくと、内外の温度差によって換気が起こり、涼しさを感じられるという。

 このように、熱中症にならない快適な住環境をつくるには、エアコン以外にも工夫すべきことがある。とりわけ室内に熱を入れない効果が高いのは日よけを使うこと。室内ではなく、窓の外に。南だけでなく、東と西も。換気は日が暮れて涼しくなってから、1階と2階の窓を開けて空気を大きく動かす。

 これらの対策を取り入れて、屋内での熱中症を防いでほしい。

(図版制作 増田真一)

松原斎樹(まつばら なおき)さん
京都府立大学大学院生命環境科学研究科教授
松原斎樹(まつばら なおき)さん 1955年、岐阜県生まれ。京都大学工学部卒業。三重大学工学部助手、京都府立大学生活科学部助教授などを経て、99年に京都府立大学人間環境学部教授に就任。2008年から現職。人間-生活環境系学会会長。共著書に『図説 建築環境』(学芸出版社)など。

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