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トピックス

「トヨタ役員麻薬密輸報道」が招く、医療用麻薬への誤解

がん患者を痛みから救う薬への誤解と偏見を植え付けないで

 廣橋 猛=永寿総合病院 がん診療支援・緩和ケアセンター長

一連の報道から痛みと闘う患者を守りたい

 ここで、医療用麻薬について再確認させてください。まず、がんによる強い疼痛を緩和するためには欠かせない薬剤です。末期患者だから使う薬剤ではありません。そして、医師ががん性疼痛を適切に評価し処方している限り、依存や中毒を引き起こすことはまれです。日本緩和医療学会が作成している『がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン』にも、同様の記載があります。

 繰り返します。医療用麻薬は適切な評価と処方であれば安全に用いることができ、がん患者を疼痛から救うことができます。今回の一連の報道でも、この事実を伝えてほしかった。以下は、知人の緩和薬物療法認定薬剤師が語っていた言葉ですが、これは恐らく全てのがん治療に関わる医療者が思っていることです。

 「全ての報道担当者は医療用麻薬に関する勉強をなさってください。日本に住まい、日本で療養なさる全てのがん患者とその家族のために」

 がんによる痛みと闘う患者を守りたい。

廣橋猛(ひろはし たけし)さん
永寿総合病院 がん診療支援・緩和ケアセンター長
廣橋猛(ひろはし たけし)さん 2005年東海大学医学部卒。三井記念病院内科などで研修後、09年緩和ケア医を志し、亀田総合病院疼痛・緩和ケア科、三井記念病院緩和ケア科に勤務。14年2月から現職。
この記事は、日経メディカルからの転載です。

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