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コロナ禍での「夏のマスク生活」はここがポイント!

人との距離が十分なら外してもOK、ただし「マスクを外したら人と話さない」

 大西淳子=医学ジャーナリスト

感染者から1m以上離れれば感染リスクは8割以上減少

 暑くてがまんできない、マスクの下に汗をかいて皮膚トラブルが発生した、水分補給のためにマスクを外したい、でも感染したくない、感染させたくない…。そんなときは、周囲の人から離れるのが一番です。感染予防における、マスク着用と1m以上の距離を維持することの効果を検証した論文が、英国の医学ジャーナルLancet誌に6月1日に報告されているのでご紹介しましょう。

 この研究を行った世界各国の研究者たちは、マスクの着用と、1m以上の距離をとることが、新型コロナウイルスなどの感染リスクに与える影響を調べるため、44件(対象者は2万5697人)の観察研究のデータを分析しました。44件の内訳は、新型コロナウイルスに関する研究が7件、MERS(中東呼吸器症候群)に関する研究が11件、SARS(重症急性呼吸器症候群)に関する研究が26件となっていました。

 分析の結果、感染者からの距離が1m未満に比べ、1m以上離れると、感染者から非感染者への感染リスクは82%低下し、距離が伸びるほどリスク低下幅が大きくなることが明らかになりました。

 マスクを着用した場合も、感染リスクが85%低くなる可能性が示されました(N95マスクまたは同等品のマスクでは96%低下、サージカルマスクまたは同等品では67%低下)。同様に、ゴーグル、フェイスシールドなどを利用して眼を保護すると、感染リスクが78%低下することも示唆されました。

夏のマスク着用の注意点をまとめると…

 現在利用可能なエビデンスに基づいて、夏のマスク着用の注意点をまとめると、以下のようになります。

コロナ禍での夏のマスク着用の注意点

1)

マスク着用の有無にかかわらず、熱中症予防に気を付ける

2)

効果が示されている素材のマスクを選ぶ。可能なら自作する

3)

隙間が多いマスクや、呼吸しづらいマスクは使用しない。着用したら鼻の部分やあごの下を調整し、顔にフィットさせる

4)

着用中は鼻を出さない、マスクを触らない

5)

水分補給や食事のためにマスクをいったん外し、つけ直す際には、マスクを正しく取り扱う(前後に手洗いをする、ゴムの部分をつかみマスクの本体に触らない、外したマスクは密封できる新しい袋に入れる、など)。

6)

自宅外でマスクを外すときは、周囲の人と1m以上、可能な限り2mの距離をおく。それができないなら会話を控える。

7)

会話する場合はマスクを着用する。

8)

サージカルマスクは原則として再使用せず、外したら蓋のあるゴミ箱に捨てる

9)

傷んだマスク、汚れた、または湿ったマスクは使用しない

 布マスクは1日1回、よく洗って乾かしましょう。WHOは、「石鹸または洗剤をつけて、60度程度の湯で洗う。お湯が使えない場合は、石鹸または洗剤で洗った後に鍋で1分間煮る。または家庭用塩素系漂白剤を希釈して作った次亜塩素酸ナトリウム液(濃度の目安は0.1%)に1分間浸してから水でゆすぐ」という方法を推奨しています。

 梅雨が明ければ本格的な夏です。熱中症予防のためにマスクを外す機会も増えますが、その際「人と話すならマスクを外さない、マスクを外すなら人と話さない」というルールを厳守することが大切です。上に示した注意点に気をつけつつ、これまでと同様に、こまめに手を洗い、「三密」を避けて過ごしていきましょう。


新型コロナウイルス関連記事はこちら

大西淳子(おおにしじゅんこ)
医学ジャーナリスト
大西淳子(おおにしじゅんこ) 筑波大学(第二学群・生物学類・医生物学専攻)卒、同大学大学院博士課程(生物科学研究科・生物物理化学専攻)修了。理学博士。公益財団法人エイズ予防財団のリサーチ・レジデントを経てフリーライター、現在に至る。研究者や医療従事者向けの専門的な記事から、科学や健康に関する一般向けの読み物まで、幅広く執筆。

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