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コロナ禍での「夏のマスク生活」はここがポイント!

人との距離が十分なら外してもOK、ただし「マスクを外したら人と話さない」

 大西淳子=医学ジャーナリスト

布マスクや夏用マスクの素材選びのポイントは?

 日本では、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、不織布を使った医療用のサージカルマスクが入手困難になったことから、布マスクや手作りマスクが急速に普及しました。最近は、夏用をうたう冷感マスクも登場しており、使われる素材や構造はさまざまです。WHOは今回、「理想的な非医療用マスクの構造」も示しています。

WHOが示した「理想的な非医療用マスク(布マスク)の構造」

  • 3層構造である
  • 一番内側が、自分の口や鼻から出る飛沫を速やかに吸い込むことができる親水性の布(綿100%または綿と別素材の混紡)
  • 一番外側は飛沫が飛んできても染みこまない防水性能を持つ布(ポリプロピレン、ポリエステル、またはそれらの混紡)
  • 中間層はやはり水が染みこみにくい不織布(ポリプロピレンまたは綿など)
  • 洗濯が可能な素材
  • 伸縮性の高い布は着用時に伸びるため、繊維の密度が低下し、飛沫捕獲効果が下がるうえに、60度以上で洗えない素材が多いため、避けた方が良い

布マスクは異なる素材の組み合わせで性能アップ

 日本では既に、さまざまな種類の布マスクが市販されていますが、その有効性(飛沫を十分に捕獲できるか)が科学的に確認されている製品はほとんどないように思います。マスクを作る布の種類によって、飛沫の捕獲性能には大きな差が生じます。

サージカルマスクの品薄を機に、様々な布マスクも登場している。

 どのような素材が優れているのかを知りたいと思ったときに、参考になる論文(*6)があります。これは、一般的な素材の布、綿、シルク、シフォン(ポリエステル90%スパンデックス10%)、フランネル(綿65%ポリエステル35%)などについて、呼吸器ウイルスの伝播を抑制するために重要な「粒子径10nmから10μmまでのエアロゾル」をどの程度捕獲できるかを検討した研究です。

 ここでは、飛沫感染の予防に注目し、300nmを超えるサイズの粒子を捕獲する能力を見ていきます。結論としては、いずれの布地も、1枚だけでは効果は十分ではありませんでした。唯一の例外は、スレッドカウント(TPI)、すなわち1インチ(2.54 cm)四方に織り込まれている糸の数が多い、600 TPIの綿100%生地(高級なシーツなどに使われている)でした。これは、1枚でもサージカルマスク並みの性能を示しました。

 また、1枚では十分な効果はない120 TPIの綿生地も、2枚合わせて中に綿(わた)を入れたキルティングにする、あるいは、綿とシフォン、綿とシルク、綿とフランネルをそれぞれ1枚ずつ重ねた2枚合わせの生地にすると、サージカルマスクと同等の効果が期待できることが明らかになりました。このほか、シルクを4枚重ねにする、シフォンを2枚重ねにするとことでも、サージカルマスクに近い効果が得られることも分かりました。一方で、マスクを着用した際に隙間があると、効果が60%超低下することも示されました。

 この研究結果からは、適切な素材を選んで、顔にフィットするように作られた布マスクなら、飛沫を捕獲する効果は高いことが分かります。

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