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男性の「精子力」を高める栄養素とは?

精子の老化を抑え、妊活のために肥満改善を

 福島安紀=ライター

男性の肥満、精巣温度の上昇は精子にダメージを与え、不妊に直結

 「精子力を上げるには、肥満を防ぐことも大切です。日本人の女性はやせ過ぎが多い一方で、男性では体格指数であるBMI(体重(kg)÷身長(m)÷身長(m))が25kg/m²以上の肥満者が増えています。オーストラリアの研究では、男性がBMI25kg/m²以上だとパートナーが肥満でなくても、男性が標準体型(BMI18.5~25kg/m²未満)のカップルに比べて出産成功率が低く、体外受精や、顕微鏡で見ながら卵子の中に直接、精子を注入して受精させる顕微授精などの生殖補助医療を行っても、妊娠が成立しない割合が高まると報告されています(下グラフ)。肥満でもBMI18.5kg/m²未満のやせ過ぎでも、精子のDNAの損傷率を表す精子DNA断片化率が高まり、妊娠が成立しにくくなります。精巣は熱に弱く、温度が上昇すると造精機能が低下しますが、肥満の人は精巣の温度が高い傾向があり、そのことも妊娠が成立しにくいことと関係していると考えられます」と岡田さん。

男性の肥満が妊娠成立に悪い影響
305カップルを対象にした研究。男性がBMI25kg/m²以上の場合、パートナーが肥満でなくても、男性が標準体型(BMI18.5~25kg/m²未満)のカップルに比べて出産成功率が低く、体外受精や、顕微授精などの生殖補助医療を行っても、妊娠が成立しない割合が高まった。(データ:Spermatogenesis. 2012 Oct 1;2(4):253-263.)
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 女性の健康には冷えは大敵だが、男性の精巣はむしろ冷やしたほうがいいわけだ。この点に着目して、体温の上がりやすい日中に、妊活中の男性の精巣の温度が下げるための陰嚢(いんのう)・精巣冷却専用シート「KIBOH Cooling Sheet nin-cats」も市販されている。「特に、精索静脈瘤の人は精巣の温度が上がりやすいので、仕事中、陰嚢・精巣冷却専用シートを貼って冷やすと造精機能が正常になる可能性がある」(岡田さん)。

 岡田さんらの研究グループが、精索静脈瘤のある男性10人に、この陰嚢・精巣冷却専用シートを10週間使ってもらったところ、陰嚢の体表温度が平均2℃ほど下がり、精子のDNA損傷率も低下したという。しかも、10人中4人は、パートナーが妊娠した。今後は、被験者の人数を増やして陰嚢・精巣冷却専用シートの効果を検証する予定という。

 「男の精巣で最も精子の運動率が上がり、DNAの損傷も少なくなる精巣の快適温度は35℃です。睾丸がぶらぶらしているのは、風通しをよくして、熱がこもらないようにするためです。精巣の温度を下げるためには、ブリーフ、ぴっちりしたジーンズなど体を締め付ける下着、衣類、それから、サウナ、長風呂で温め過ぎるのは避けるべきです。膝上でのパソコン操作も熱に弱い精子にダメージを与えるので、パソコンはできるだけ精巣から離してください。パートナーである女性に寄り添いつつ、精巣を冷やす、亜鉛やビタミンD、葉酸をサプリメントで補充するなど、男性側もできることは何でもやってみればいいと思います」(岡田さん)

 そう話す岡田さんは、かねてから下記の「精子力を高める7カ条」を提唱している。妊活中の男性は、こちらもぜひ参考にしたい。

精子力を高める7カ条

第1条 禁煙すべし!
タバコを吸うと血管の塊のようなペニスに血液が流れにくくなりED(勃起不全)をまねくことに。喫煙によって精子の数や運動性のいい精子が減り、参加ストレスで精子のDNAが損傷する恐れも。
第2条 禁欲するなかれ!
精子は毎日作られるが、射精しないと古い精子がたまり、精液全体の質を下げてしまう。また、禁欲を続けると、精子のDNAの損傷率が高くなる傾向が。
第3条 ぴっちり下着は避けるべし!
睾丸(精巣)は熱に弱く、温度が上昇すると精子を作る造精機能が低下する。ブリーフやタイトなジーンズなどで圧迫すれば熱がこもりやすい状態に。
第4条 サウナ、長風呂は控えるべし!
精子を作る精巣は熱に弱い。股間を高熱にさらすことは、精子を作る造精機能に悪影響を及ぼす。
第5条 膝上でのPC操作に注意すべし!
パソコンは使用していると次第に熱を発する。膝の上に置いて使えば、股間へとその熱が伝わり、熱に弱い精子には大打撃。どうしても使う時には短時間で終わらせよう。
第6条 自転車で股間を刺激するなかれ!
長時間、前傾姿勢のライディングを頻繁にすると、サドルが当たって男性器付近の血流が悪くなり、EDや精子の減少、運動率の低下を招く恐れがある。自転車に乗る際には、男性器付近の圧迫を避けて、血行の確保を。
第7条 育毛剤に気をつけるべし!
AGA(男性型脱毛症)の治療薬のうち、フィナスデリドやデュタステリドを主成分とする治療薬には、男性ホルモンの作用を抑える働きがある。また、副作用として、性欲減退や精子数の減少、EDなどが起こることも。子どもが欲しいなら、このタイプの育毛剤は避けるのが無難。

(男性不妊バイブル 泌尿器科医 岡田弘オフィシャルサイトより抜粋、一部改変)

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