加齢で感じる体の衰え 脳のコンディション・チェックで取り戻す
脳のコンディショニング術(1)
村山真由美=ライター
【平衡感覚のチェック1】
※誰かに見てもらうか、スマホのカメラで動画を撮って確認するといい。
(1)
足の親指とかかとをつけてまっすぐ立ち、30秒両目を閉じて体の傾きを見る。
体が傾いた場合、傾いた側の足のバランスのセンサー(*4)や背骨を介して脳に伝わる神経系(*5)の入力が鈍っているか、傾いた側とは反対側の脳の処理能力が低下している可能性がある。
【平衡感覚のチェック2】
※誰かに見てもらうか、スマホのカメラで動画を撮って確認するといい。周りに物がないか確認してから始める。高齢者や「平衡感覚のチェック1」でふらつく人は危険なので行わない。
(1)
足の親指とかかとをつけてまっすぐ立ち、両目を閉じて、体と太ももの角度が90度になるように片方の脚を上げる(左右10秒ずつ)。
ふらついた場合、ふらつく側の足のバランスのセンサーが鈍っているか、ふらついた側とは反対側の脳の処理能力が低下している。
全ての運動のベースは「脳のコンディショニング」
もし、チェックの結果が悪かったとしても、落ち込むことはないそうだ。「一般の人はもちろん、アスリートでもこれらができない人は少なくありませんし、感覚器や脳のコンディションは整えることができます」(江口さん)
江口さんが提唱しているのは、感覚器からの情報入力と脳の情報処理に着目した「脳のコンディショニング」だ。
江口さんはこのメソッドをオリンピック選手や世界マスターズの選手など、いろいろな競技のアスリートのトレーニングに取り入れて、成果を上げている。全てのスポーツのベーストレーニングとして有効なのだという。また、選手だけでなく、運動能力と判断力が問われるサッカーのレフェリーの間でも定評があるという。JリーグやW杯で活躍する有名レフェリーの西村雄一氏もこのメソッドの開発に関わっているそうだ。
で、具体的にやることだが、「ホントにこれだけ?」と拍子抜けするほど簡単なエクササイズだ。
きついトレーニングなしでスポーツのパフォーマンスが上がったり、若々しく動けるようになったり、仕事のパフォーマンスが上がるとしたら……? やらない手はないだろう。エクササイズの詳細は次回記事で紹介しよう。
(写真 鈴木愛子)
【脳のコンディショニング術】
第4回 脳の処理能力高めるエクササイズ キレのあるしなやかな動きが実現第3回 脳のコンディション狂わす歪んだ姿勢 簡単エクササイズで矯正
第2回 脳活性化で体機能向上 アスリートも励む赤ちゃん返り
第1回 加齢で感じる体の衰え 脳のコンディション・チェックで取り戻す
マークスライフサポート代表取締役、日本オリンピック委員会強化スタッフ
