「座ったきり」は腰痛の元凶!「股関節ストレッチ」ですっきりほぐす
整形外科医・中村格子さんが指南する「究極のストレッチ」(2)
中村格子=Dr.KAKUKOスポーツクリニック院長
股関節ストレッチで股関節をほぐす
股関節は、立つ、歩くといった動作につねに大きく関わっているが、座り姿勢が長かったり、日常の中で単調な動作しかしていないと、股関節を動かすチャンスはことごとく奪われてしまう。
すると、股関節周囲の筋肉もほとんど使われず、かちかちの状態に。このまま、かちかちの股関節を放っておくと、腰痛の悪化は避けられないし、立ち歩く姿勢もいっそう老け込んでいってしまう。
かちかちの股関節を、柔軟に、スムーズに動かせるよう変えていく効果が高いのが、ここから紹介する3つの「股関節ストレッチ」だ。
◇ ◇ ◇
1つ目の「股関節ストレッチ1」は、四股ふみ姿勢でおなじみのもの。「このストレッチを行うときは、ひざを内側から後ろ側に押すのがポイント。硬くなった内ももの“内転筋”を伸ばし、股関節をほぐしていきましょう」(中村さん)。
STEP 1 股関節を柔らかくする
1 脚を大きく開き、つま先は外側に向ける。つま先とひざの皿を同じ方向に向けて、上体を真っすぐ立てたまま腰をひざの高さに落とす。
2 股関節が硬いとひざが内側に入ってしまうので、肩入れをし、手でひざの内側から後ろ側にぐーっと押し、股関節を開こう。5~10秒キープ。5回行う。反対側も同様に。
2つめの「股関節ストレッチ2」は、骨盤を立てる、という基本姿勢を大切にしよう。「股関節が硬い人は、内ももの“内転筋”とともに、もも裏の“ハムストリングス”も硬くなりがちです。これは、座り姿勢によって骨盤が後ろに倒れ、ハムストリングスが縮むからです。なのに、骨盤が後ろに傾いたままで無理をして前屈しようとすると、股関節を傷めてしまう可能性があるので、とても危険です」(中村さん)。大きく開脚することにこだわるのではなく、骨盤を立てる、という基本姿勢を大切にすることが効かせるポイントとなる。
STEP 2 もも裏のハムストリングスを柔軟に
1 床に座り、骨盤を立てて背すじを伸ばす。両ひざは曲がった状態でOK。骨盤が後傾しないようにしっかり立てる。
2 骨盤を立てた状態で、両ひざを伸ばし、基本姿勢をつくる。できる範囲でいい。手をお尻の後ろに置き、支えながら行うとやりやすい。
3 骨盤を立てた状態を維持しながら上体を倒す。倒せるところまででよいので、ほどよいストレッチ感を感じながら5秒キープ、5回行う。
4 繰り返すうち、もっと上体を倒せそうになったら、少しずつ両手を前に移動させて倒す。
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