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性行為で感染!「アメーバ赤痢」が急増中

年間1000人以上、無症状のまま感染を広げるケースも

 大西淳子=医学ジャーナリスト

アメーバ赤痢の主な症状は下痢や粘血便だが、8~9割は無症状。(© Marcinski -123rf)

 2010~2011年の報告数と2012~2013年の報告数を比較した報告(*1)によると、いずれも男性患者が全体の9割近くを占めているものの、女性の報告数は増加傾向にあり、男性の増加率は17.9%、女性の増加率は26.7%でした。

 無症状なのに診断された感染者の数が8.7%から15.4%へと約2倍になっていますが、ここには、大腸内視鏡検査で偶然見つかった患者が含まれています。

 感染経路は男女ともに性行為感染が多く、男性では同性間と異性間の性的接触による感染が、同程度~異性間でやや多く生じていました。女性は大半が異性間の接触によるもので、性行為による感染の割合は26.0%から37.3%に増加していました。

 また、2003年ごろから、国内の性風俗産業で働く女性のアメーバ赤痢患者が見つかるようになり(*2)、さらに増加しているようです(*3)。提供するサービスの多様化が原因と考えられています。

 感染しても症状を経験しない人や、症状があっても軽いために医療機関を受診しない人が多いアメーバ赤痢の感染者は、報告されている数をはるかに上回ると考えられます。わずかではありますが、死亡する患者も毎年出ています。アメーバ赤痢感染者が妊娠すると症状が悪化することも知られており(*4)、女性だけでなくパートナーである男性も、感染予防を心がける必要があります。

もっと詳しく:アメーバ赤痢とは

 原因:アメーバ赤痢の原因は、赤痢アメーバという原虫です。感染した人の便の中に排泄される赤痢アメーバに汚染された水や氷、野菜や果物、肉類を生で食べると感染します。性行為では、肛門周辺にいたアメーバが、手指を介して、または肛門に対する口腔性交により口の中に入ると感染します。

 症状:潜伏期は2~3週間とされていますが、数カ月から数年におよぶこともあります。また、症状が現れるのは、感染した人の10~20%にとどまるため、症状がないままに感染している人が多いことが問題です。

 腸管に現れる主な症状は下痢粘血便ですが、重症化することはまれです。症状は数週程度の周期で現れたり消えたりを繰り返しますが、全身状態に影響はなく、患者は通常の社会生活を送ることができます。治療を受けなければ、赤痢アメーバが体内に長く留まる可能性があります。

*1 アメーバ赤痢報告数の増加、2010~2013年. 国立感染症研究所病原微生物検出情報(IASR) Vol. 35 p. 223-224: 2014年9月号.
*2 東京都立駒込病院での赤痢アメーバ症例. IASR. Vol.24 p81.
*3 アメーバ赤痢 2003~2006. Vol.28 p103-104.
*4 感染症の話 アメーバ赤痢. 感染症発生動向調査週報(IDWR). 2002年第30週号(2002年7月22日~7月28日).

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