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カルシウムだけではダメ!男も女も侮れない「骨粗しょう症」の予防策

知らぬ間に進行する国民病「骨粗しょう症」予防の新常識

 大塚千春=フリーエディタ―・ライター

日本人がカルシウム摂取を意識するべき理由とは

 ご存じの通り骨の材料となるのはカルシウムだが、「日本の土壌にはカルシウムが含まれていないため、土壌にこれを含む欧米に比べ野菜などのカルシウム含有量は低くなります。こうしたことも、欧米に比べ日本人が意識してカルシウムを摂るようにしなければならない理由の一つです」。こう指摘するのは、日本獣医生命科学大学客員教授の佐藤秀美さんだ。

 カルシウムは、男子の場合は中学生の頃、女子は小学校高学年から中学生の時期に最も多く体に貯蓄され、骨密度は18~20歳に最も増える。これが40歳ぐらいまで維持され、その後、歳を取るとともに減っていくのだという。そのため、成長期には、できるだけカルシウムの“貯金”を増やすことが大切になる。裏を返せば、こうした時期に食生活が乱れたり極端なダイエットをしたりして十分な栄養の摂取ができなかった人は、要注意だ。

 もっとも、「骨量が増える時期にしっかり骨の貯金をせずに40~50歳代を迎えても、気が付いた時から必要な栄養素をしっかり摂り続ければ、健康な骨の状態を維持できます」と佐藤さんは助言する。

 動物実験では体内のカルシウム量が半分に減ると、それ以前の耐荷重の4分の1の力が加わるだけで骨折することが分かっているという。人間の脛骨は296kgの負荷がかかると折れるといわれているが、その4分の1というと70kgぐらい。つまり平らな道路で倒れただけで骨折してしまうというわけ。だいたい、ピーク時の骨密度の7割ほどまで減った状態で骨粗しょう症と診断されるそうだ。

カルシウムと一緒に摂ることが重要な2つの栄養素って?

 骨粗しょう症の予防の要は、栄養と運動だ。運動は骨を強くするのを助けてくれる一方、栄養面ではカルシウムだけではなく、ビタミンDとビタミンKも共に摂ることが重要だという。ビタミンDはカルシウムの吸収を促進し、ビタミンKはこれの骨への沈着を促すからだ。

 「この3つの栄養素を『骨のゴールデン・トライアングル』として意識して摂取することが、骨粗しょう症の予防対策となります」と両先生は力を込める。だが、いずれの栄養素も、現代の日本人は予防に必要な量からはるかに少ない量しか摂取できていないという。

[画像のクリックで拡大表示]

 下の表は、ゴールデン・トライアングルの各栄養素の、「健康維持のための目安量」(※1)と「骨粗しょう症治療のための推奨量」(※2)を記したもの。「治療のための推奨量は、予防のための量の目安と考えてよいでしょう」と佐藤さんは話す。

 その考えに則ると、たとえ健康維持のための目安量を満たしていても、骨粗しょう症予防の量としては足りないことが多いことが分かる。例えばカルシウムの場合、女性の健康維持に必要な目安量は1日当たり650mgだが、骨粗しょう症予防の観点からは700~800mg必要、といった具合だ。

※1 「日本人の食事摂取基準(2015年版)」より
※2  「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン」2015年版より
■ゴールンデン・トライアングルの推奨量は?
健康維持のための目安量骨粗しょう症治療のための推奨量(※)
カルシウム男性650~800mg、女性650mg食品から700~800mg
(サプリメント、カルシウム剤を使用する場合は注意が必要)
ビタミンD5.5μg10~20μg
ビタミンK150μg250~300μg
健康維持のための目安量は「日本人の食事摂取基準(2015年版)」(18歳以上)、骨粗鬆症予防のための推奨量は「 骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン」(2015年版)を参考に、コツコツ骨ラボ:佐藤秀美さんが作成。
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