日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様

日経 Gooday

ホーム  > 医療・予防  > トピックス  > 酒は百薬の長、ではなかった。それでも飲むなら  > 4ページ
印刷

トピックス

酒は百薬の長、ではなかった。それでも飲むなら

飲むべきか、飲まざるべきか、それが問題(3)

 崎谷実穂=ライター/編集者

葉石:でも、少量に抑えるって難しいですよね。私の本にも、適正な飲酒量はエタノール換算で1日20g程度、ビールだったら中瓶1本、日本酒なら1合程度、と書いているのですが……。

小田嶋:大酒飲みから言わせると、それだったら飲まないほうがましですね。まんじゅうの皮だけ食べろって言われているような感じ。

浅部:ですよね(笑)。でも、最近の研究だとさらに適量が下げられてきているんですよ。

2018年5月11日に東京・下北沢の書店「B&B」にて開催された鼎談を記事にしました。

葉石:WHO(世界保健機関)の基準からすると、日本で適量とされている量は、少し多めだと聞いています。

浅部:日本人の体の大きさから考えると、ちょっと甘いんですよね。日本人はアルコールを分解する酵素の面から見ても、あんまり酒が強くないですし。そうすると、本当に1日1杯くらいの量になってしまうんです。アルコールの健康に対する害という観点からすると、自分に合った方法で酒量を制限するということしかないですね。

アルコール依存症は人生そのものを変えてしまう

葉石かおり著、浅部伸一監修『酒好き医師が教える最高の飲み方

葉石:では最後に、お二人にとって最高の飲み方ってなんでしょうか。

浅部:私は食べるのが好きで、食べ物に合わせた酒を飲むのが好きなんですよ。だから、食べ物と一緒に、おいしいなあと思いながら飲みたいです。あとは、人と楽しく会話しながら飲む。それが一番ですね。

小田嶋:私は最高も何も、もう飲めないですからね。吾妻ひでおさんのアル中体験を書いた漫画に、「アルコール依存症は不治の病気。一生治りません。ぬか漬けのきゅうりが生のきゅうりにもどれないのと同じです」というお医者さんのセリフがあるんですよ。

葉石:なんとわかりやすい例え……!

小田嶋隆著『上を向いてアルコール

小田嶋:私は今、20年間酒をやめています。しかし、今でも一度飲んだら、依存症の状態に舞い戻る。これは確実です。だから皆さんにとっての最高の飲み方は、多量飲酒者(ハイリスク群)とアルコール依存症の間にあるレッド・ラインを超えないことだ、と言っておきましょう。

葉石:やはり、多量飲酒者であることと、アルコール依存症になってしまうことの間には、大きな壁があると。

小田嶋:その一線を超えると、帰ってこられないですからね。アルコール依存症になって酒をやめるというのは、元の生活に戻るということではありません。今までと別の人生を歩むということなんです。サッカー選手がサッカーできなくなってタクシー運転手になった、とかそれくらいの話。

 断酒を始めたころ、いろんな人に「酒をやめるってどんな気分ですか」って聞かれたんです。それで、何かの原稿に「翼をなくした鳥みたいなものだ」と書きました。本当に、鳥が歩いているような気分だったんですよ。

葉石:もともとは空を飛ぶように生まれたのに。

小田嶋:今でも飛んでみたいと思うけれど、そうすると必ず墜落するってわかってるから、やりません(笑)。だから、そんなことにならないように皆さんは気をつけてください。

(おわり)

(写真:鈴木愛子)

先頭へ

前へ

4/4 page

RELATED ARTICLES関連する記事

医療・予防カテゴリの記事

カテゴリ記事をもっと見る

FEATURES of THEMEテーマ別特集

  • 宴会で「尿酸値・血糖値・中性脂肪」を上げない賢い飲み方

    年末年始や年度の変わり目など、宴会が増える季節に、楽しくお酒を飲みながらふと頭をよぎるのが、「体重の増加」と「気になる検査値への影響」ではないだろうか。暴飲暴食が続くとさまざまな検査値に影響が及ぶ。今回は、働き盛りの世代に身近な「尿酸値」「血糖値」「中性脂肪」を上げないための、宴会での上手な飲み方・食べ方のコツをまとめた。

  • 青魚のDHAやEPAで、血管を若返らせて、メタボも抑制!

    サバ、イワシなどの「青魚」の健康効果が注目されている。青魚にたっぷり含まれるDHAやEPAは、血管を若返らせ、メタボを抑制したり、認知症のリスクを下げる効果も期待できる。手軽に食べられる「サバ缶」や「イワシ缶」も人気で、カルシウムもしっかりとれるため、骨粗鬆症の予防にもなる。

  • 老化を左右する血管! 若返りのポイントは?

    体の中に縦横無尽に張り巡らされた「血管」をよい状態に保つことは、健康を維持するため、そして老化を防ぐために極めて重要だ。では、強い血管をキープし、老化した血管を若返らせるには、何をすればいいのだろうか。本特集では、2万例を超える心臓・血管手術を手がけてきたスペシャリストに、血管の若さを維持する秘訣と、血管を強くする運動法・食事法を聞いていく。

テーマ別特集をもっと見る

スポーツ・エクササイズSPORTS

記事一覧をもっと見る

ダイエット・食生活DIETARY HABITS

記事一覧をもっと見る

からだケアBODY CARE

記事一覧をもっと見る

医療・予防MEDICAL CARE

記事一覧をもっと見る

「日経Goodayマイドクター会員(有料)」に会員登録すると...

  • 1オリジナルの鍵つき記事鍵つき記事がすべて読める!
  • 2医療専門家に電話相談できる!(24時間365日)
  • 3信頼できる名医の受診をサポート!※連続して180日以上ご利用の方限定

お知らせINFORMATION

人生100年時代プロジェクト

SNS

日経グッデイをフォローして、
最新情報をチェック!

RSS

人気記事ランキングRANKING

  • 現在
  • 週間
  • 月間

NIKKEICopyright © 2019 Nikkei Inc. All rights reserved.