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酒を断つには、趣味も人間関係もリセットするしかない

飲むべきか、飲まざるべきか、それが問題(2)

 崎谷実穂=ライター/編集者

小田嶋:そうなんですよ、野球ってアメリカではナショナルパスタイム(国民的娯楽)と言われたりしますけど、要はスポーツと言うより暇つぶしなんですよね。酒を飲まなくなってからはサッカー観戦をするようになりました。サッカーのほうが、飲む暇ないんですよ。

 あと音楽も、かつてはレゲエとか60年代ロックを聞いていたんですけど、酒無しで聞いたらなんだか白々しく聞こえてしまって。そこで嫌いだったジャズを、一から勉強しました。最初は無理やり聞いていたんですが、最終的には好きになりましたね。こうやって意識的にそれまでの習慣を変えて、生活を再構築していくんです。

浅部伸一(あさべ・しんいち)
1990年、東京大学医学部卒業後、東京大学医学部附属病院、虎の門病院消化器科等に勤務。国立がん研究センターなどを経て、アメリカ・サンディエゴのスクリプス研究所に留学。帰国後、2010年より自治医科大学附属さいたま医療センター消化器内科に勤務。現在はアッヴィ合同会社所属。専門は肝臓病学、ウイルス学。好きな飲料は、ワイン、日本酒、ビール。

葉石:そこには途方もない苦労があるんですね。

200円でとんでくるかわいいやつと、どうやって別れるか

葉石かおり著、浅部伸一監修『酒好き医師が教える最高の飲み方

小田嶋:酒を飲んでつぶしていた時間が激しく余るようになるのも、問題です。やることがないと、酒に走ってしまいがちなので。そこで、医者に勧められたアルコホーリクス・アノニマス、通称AAという断酒の自助グループの集会に週に2、3回いくようにしました。

葉石:小田嶋さんの著書『上を向いてアルコール』にも書かれていましたね。その集会では何をやるんですか?

小田嶋:みんなで神代植物公園に行き、花を見たりしましたね。いい大人が何やっているんだ、という感じですが(笑)。あとは、一人ずつ順番に、酒でどんなふうに身を持ち崩したかとか、今考えていることなどを話す。それがお互いの戒めになるんです。

葉石:時間をつぶすために、運動はしなかったんですか?

小田嶋:試みたんですけど、失敗しました。やっぱりお酒で体もぼろぼろになってるから、いきなり運動できないんですよね。

浅部:ほとんど食べないで飲み続けていた人は、筋力も落ちていますしね。ちゃんと食べることから始めないと。

小田嶋:お酒をやめて1、2年で8キロくらい体重が増えたんですけど、それでやっと標準体型になったという感じでした。顔も、酒を飲んでいたときは黒ずんでカサカサだった。それがなくなって、会う人会う人に、若返ったって言われましたよ。

葉石:話をお伺いしていると、アルコール依存症から抜け出すというのは、ただお酒をやめればいいというものではないんですね。

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