小林麻央さんが闘う乳がん、早期発見と予防のために
日経Gooday編集部
フリーアナウンサーの小林麻央さん(33)が、乳がん闘病中であることが明らかになりました。
麻央さんの夫で歌舞伎俳優の市川海老蔵さんが、2016年6月9日に開いた記者会見で、1年8カ月前に受けた人間ドックで異常を指摘され、検査の結果、進行の速い乳がんであることを告げられたこと、「比較的深刻」な病状であり、手術は行わずに抗がん剤を中心とした治療を受けていることを明かしました。
33歳という若さで、幼い2人の子どもの母親でもある麻央さんの乳がん闘病のニュースは、特に同年代の女性に大きな衝撃を与えたのではないでしょうか。
乳がんは女性で最も多いがんで、年間9万人が発症
乳がんは女性に最も多いがんで、年間の新規患者数は約9万人に上ります(2015年、国立がん研究センターがん対策情報センターによる予測)。日本人の乳がんは30代後半から増加し始め、ピークは45歳から49歳と、ほかのがんに比べ若い世代に多いのが特徴です。
乳がんのうち5~10%は遺伝性という報告もあり、2013年には米国の人気女優、アンジェリーナ・ジョリーさんが、遺伝性乳がんのリスクが高いことを理由に「予防のための乳房切除」を行ったことでも話題になりました(関連記事「攻めるアンジーは私たちの見本になるのか?」)。女性にとって最も身近ながんといえるでしょう。
早期発見には検診が重要、ただしマンモグラフィにも落とし穴が
乳がんは、早期に発見できれば、ほとんど治る病気といわれます。早期発見には定期的な検診を受けることが重要です。現在、自治体の乳がん検診では、40歳以上の女性に対してマンモグラフィ検査と視触診の併用を行っているところが多いですが、任意で受診する人間ドックでは、これより若い年代であっても、マンモグラフィ検査や、乳腺超音波検査(乳腺エコー)を受けることができます。
ただしマンモグラフィにも「落とし穴」はあります。乳腺が発達している人や、ホルモン補充療法を行っている人の乳房を撮影すると、乳房全体が白く映り、石灰化を発見することができないのです。これをデンスブレスト(高濃度乳房)といいますが、乳房がデンスブレストの人はアジア人に多いことが分かっています。
デンスブレストについてさらに詳しく知りたい人は、こちらの記事↓をご覧ください。
乳がん検診の仕組みや、異常が見つかった場合の二次検査の流れは、こちらの記事↓に分かりやすく解説されています。
残念ながら、乳がん検診は万能ではありません。不運にも見つけにくい部位にできたために見逃されてしまったり、定期的に検診を受けていても、次の検診までの間に急速に進行したがんが見つかったりするケースもあります。特に、若い女性の乳がんは、進行が早いケースが多いことが知られています。こうした限界を踏まえながら、どのように検診を受けたらいいのか、がん治療の最前線を歩み続けてきた東京ミッドタウンクリニック健診センター長の森山紀之先生が、こちらの記事↓でアドバイスをしています。
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