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突然発生する急性大動脈解離、救命は時間との闘い

高血圧のある人は要注意

 大西淳子=医学ジャーナリスト

【発生率と死亡率】高齢者、冬場に多い

 日本国内のいくつかの地域で調査が行われ、年間発生率は10万人あたり3人前後であることが示されています。動脈解離の発症のピークは70代で、発症者の男女比は、中年期には男性が女性の2~3倍ですが、高齢になるほど差は縮まります。発症者は冬場に多く、夏場には少ない傾向があります。時間的には日中、特に6~12時に多いと報告されています。

 日本で行われた調査では、急性大動脈解離で死亡した患者の61%が病院到着前に死亡していました。また、87%は、心臓に近い上行大動脈からの出血によって心臓の動きが妨げられた(心タンポナーデ)ために亡くなっていました。

 なお、国内で大動脈解離患者に対して行われた手術の件数は、2004年は約4000件弱でしたが、2008年は約5000件で、徐々に増加しています。

【大動脈解離の危険因子】患者の7割以上が高血圧

 この病気の直接の原因ははっきりと分かっていませんが、危険因子と考えられているのは、高血圧(急性大動脈解離を起こした人の70~90%が高血圧です)、血管の病気(血管の壁を弱くする先天的または後天的な病気があります)、妊娠(ホルモン濃度の変化が大動脈壁にも変化を起こします)、外傷(交通事故で、胸をハンドルで強打した場合などに発生する可能性があります)、先天的な大動脈弁と大動脈壁の異常、などです。

 予防には日常の血圧管理が非常に重要と考えられています。なお、遺伝的な病気に起因する大動脈解離の場合には、近親者にも同じ病気が発生する可能性があります。心当たりがあれば医師に相談し、CT検査などを受けるとよいでしょう。

参考文献
・田辺正樹, 中野赳. “疫学”. 特集:大動脈解離の論点―大動脈瘤・大動脈解離診療ガイドライン(2006年)を踏まえて. 脈管学. 2008;48:13-18.
・日本循環器学会「大動脈瘤・大動脈解離診療ガイドライン(2011 年改訂版)」
訂正
3ページ目第二段落に、「日本で行われた調査では、急性大動脈解離を発症した患者の61%が病院到着前に死亡していました」という記述がありましたが、正しくは「日本で行われた調査では、急性大動脈解離で死亡した患者の61%が病院到着前に死亡していました」でした。お詫びして訂正いたします。[2018/10/29]
この記事は2015年6月4日に公開した記事をアップデートしたものです。

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