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1日1食“大麦入りご飯”で、腸内環境改善、メタボ対策

β-グルカンは“次の食事”の血糖値上昇も抑える~大妻女子大学 青江誠一郎教授に聞く(後編)

 二村高史=フリーライター

主食を抜くと、かえって腸内環境が悪化して太りやすくなる

 日本人の食物繊維の摂取量が減っているのは、食の西洋化によって米をはじめとする穀類を食べる量が少なくなったことが大きく関係している。また、20代の女性も食物繊維の摂取量が少なくなっており、これはダイエットが影響していると考えられる。

 「近年は糖質制限ダイエットが流行して、男女にかかわらず主食の穀物を抜く人が増えています。確かに一時的にはやせるかもしれませんが、腸内環境が乱れてかえって太りやすい体質になっている可能性があります。糖尿病の患者さんに対する食事指導としてならばともかく、そうでなければ安易に主食の糖質を抜くのはおすすめできません

まずは1日のうち1食だけ「大麦入りご飯」にするという、緩やかな方法から始めてみよう(©cokemomo -123rf)
まずは1日のうち1食だけ「大麦入りご飯」にするという、緩やかな方法から始めてみよう(©cokemomo -123rf)

 「糖質を制限すると、カロリーを維持するために脂質を多く摂ることになりますが、高脂肪食もまた腸内環境によくありません。脂肪を消化するために胆汁酸の分泌が増えて、その一部が大腸に流れ込み、悪玉菌が増える原因になってしまいます」と青江教授は説明する。

米と大麦の割合は7対3、シリアルやパンでもOK

 1950年代の日本人が食物繊維を多く摂っていたのは、当時の和食で穀物、根菜、海草をよく食べていたことによるものだ。だからといって現代の食事を当時のものに戻すのは現実的ではない。

 そこで、青江教授が勧めるのが、大麦入りのご飯だ。前ページでも触れたように、1食でも大麦を摂ると、その効果が次の食事でも続く。まずは1食だけを大麦入りにするという緩やかな方法なら継続しやすいと青江教授は話す。

 米にうるち米、もち米があるように、大麦にも一般の大麦ともち麦とがある。また、加工法によって形状に丸麦、押麦、米粒麦がある。

 「食物繊維の量や比率には多少の違いがありますが、一緒に食べる食品によって合う合わないがあるので、うまく使い分けていくとよいでしょう。例えば、通常のご飯に入れて食感がいいのはもち麦ですが、麦とろには一般の押麦が合っています」(青江教授)

 もちろん、大麦を入れてご飯がまずくなっては継続できない。青江教授によれば、おいしく食べられて食物繊維がたっぷり摂れる比率は、米と大麦の割合が7対3だという。実際に、麦とろのご飯もそのくらいの比率になっているそうだ。

 「麦の匂いを気にする人は、やや少なめにすればいいでしょう。逆に、積極派だったら5割にチャレンジしてほしい。麦ご飯が健康的だというのは、昔からずっと言い伝えられて実践されてきたのに、ここ20~30年ですっかり忘れられてしまったのは残念です。昔は穀物から9gの食物繊維をとっていたのに、今では3g。3分の1に落ちてしまいました。ぜひ見直したい食生活です」

 「洋食派ならば、朝は大麦、オート麦、ライ麦入りのシリアルやパンを食べるのでも、もちろん構いません」

 「ただし、同じものばかり食べていると、腸内環境への影響が弱まってしまうという性質があります。大切なのは腸内フローラの多様性。できるだけ多様な善玉菌を増やすには、さまざまな種類の食品を食べるのがいいのです。大麦のような穀物は毎日食べて、あとは水溶性食物繊維が豊富なおかずをローテーションするのがおすすめ」と青江教授はアドバイスする。

 ところで、ビール党には残念だが、ビールは大麦を原料にしているものの食物繊維は摂取できないという。醸造開始の段階では食物繊維を含んでいるが、白くにごっておいしくないので、その後の過程で排除してしまうのだそうだ。

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