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1日1食“大麦入りご飯”で、腸内環境改善、メタボ対策

β-グルカンは“次の食事”の血糖値上昇も抑える~大妻女子大学 青江誠一郎教授に聞く(後編)

 二村高史=フリーライター

 ここ数年、健康関連の話題で注目されているのが「腸」。書店の健康本のコーナーでは腸の大切さを書いた本が並び、健康雑誌やテレビの健康番組では“腸活”が流行のキーワードになっている。「腸は第二の脳」「いや脳よりも偉い」とさえ言われているが、なぜそれほどまでに腸は大切な存在なのか、そして腸を健康に保つにはどうすればよいのか、大麦研究の第一人者で“食物繊維のスペシャリスト”でもある大妻女子大学家政学部教授 青江誠一郎さんに話を聞いた。

 昨日公開した前編では、「水溶性食物繊維」の重要性と、どの食品に多く含まれているかを聞いた。水溶性食物繊維を多く含むのは、ゴボウなどの根菜類、海草、そして穀類だ。穀類の中でも、大麦は水溶性食物繊維を多く含んでいる。後編となる今回は、大麦に含まれる水溶性食物繊維「β-グルカン」の効果と、水溶性食物繊維の効率的な摂取方法を聞いた。

(前編はこちら

大麦に含まれる水溶性食物繊維「β-グルカン」の効用

大妻女子大学家政学部食物学科教授の青江誠一郎(あおえ・せいいちろう)さん。“食物繊維のスペシャリスト”で大麦研究の第一人者

 大麦に含まれる水溶性食物繊維はβ-グルカンと呼ばれている。このβ-グルカンには、食後の血糖値の上昇を抑えたり、コレステロールを低下させたりといった、ミドル世代にうれしい数々の効用がある。もちろん、きちんとしたエビデンスがある。

 それでは、なぜβ-グルカンには、そのような効用があるのだろうか。青江教授はこう説明する。

 「そもそも水溶性食物繊維というのは、体内で水分を吸収して膨張し、どろどろとした液体になります。そのために、小腸で糖が吸収されるのを邪魔して、血糖値の上昇を穏やかにするのです。同時に、コレステロールから作られる胆汁酸の再吸収を妨げて体外へ排出するので、コレステロールの分解が進みます」

 「β-グルカンの効果で何よりも注目すべきなのは、次の食事での血糖値上昇や食欲を抑える効果もあるということです。水溶性食物繊維を腸内細菌が食べると、腸内細菌は短鎖脂肪酸を出すのですが、それが腸に刺激を与えることで、インスリンを効率よく働かせるGLP-1という消化管ホルモンが分泌されます。それが血糖値を抑えたり、食欲を抑えたりする効果をもたらすのです」

 「このホルモンが分泌されるタイミングは、ちょうど次の食事を食べる前後にあたります。ですから、次の食事で血糖値の上昇が穏やかになったり、食べすぎることがなくなるわけです。これは、実験でも明らかになっています」(青江教授)

大麦には、その後の食事の血糖値の上昇を抑える効果がある。男女12人が、朝食に白パンを食べた場合と、ゆでた大麦の粒を食べた場合で、血糖曲線下面積(血糖値上昇の指標となる)を比較した。朝食に大麦を食べた場合、昼食と夕食での血糖値上昇が抑えられた(Am.J.Clin.Nutr.;87,3,645-654,2008)

まずは朝食に大麦入りご飯を、昼食は好きなものを

 つまり、朝にβ-グルカンを多く含んだ食事を摂れば、そのよい影響は昼食にも及ぶということ。例えば、朝に大麦入りのご飯を食べると、昼に大麦を食べなくても血糖値が上がりにくくなるというわけだ。

 勤め人にとって、昼食はなかなか思い通りに食べられないもの。その点、朝食さえ大麦入りのご飯をとれば、昼は好きなものが食べられるというのはうれしい。

 「ダメ押しに、夜に大麦入りのご飯を食べれば、朝に効き目が出ます。この実験データも報告されています」と青江教授。

 無理して1日3食とも大麦入りのご飯を食べる必要はない。理想は朝と晩の2食だが、難しければ1食でも効果はある。まずは、1日1食、大麦入りの食事をどこかで取り入れてみよう。それを続ければ、腸内環境がよくなり、メタボも改善されていくという好循環がもたらされる。大麦のほか、例えばゴボウにはイヌリン、海草にはフコイダンやアルギン酸という水溶性食物繊維があり、働きは少しずつ異なるが腸内環境をよくする効果は共通している。

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