ミシュラン・シェフが「美味しい」と納得したロカボパスタのレシピ
聞き手=日経グッティ編集部
ある生パスタが話題を呼んでいる。ロカボ(=ローカーボ/低糖質)の製品だが、これまでと違って飲食業界からも熱い注目を浴びている。その製品とはいったいどんなものなのだろうか? 開発者に話を聞いた。
千葉県市原市にある製麺会社プリマ・パスタが低糖質の生パスタ「ロカボーノ」を開発・発売した。これまでもロカボの生パスタはあったが、今回の製品は医療・健康情報を扱う業界のみならず飲食業界からも注目されている。というのも、プリマ・パスタは国内の有名レストラン向けの生パスタを扱っている製麺会社であり、今回はミシュランの星を8年連続で獲得した経歴を持つ本多哲也シェフも開発に参加してできた製品だからだ。
これまでの業務用の低糖質パスタはクリニック、老健施設、ダイエット施設などでの利用が中心であり、一般的なレストランで扱っている店はほとんどなかった。医療・健康面では十分役割を果たしているものの、積極的に取り扱いたい素材ではなかった。レストランなども利用できる製品とならば、新しい需要が広がる可能性もある。
ロカボパスタになぜ注目したのか。その経緯について、プリマ・パスタの工藤保夫社長と本多哲也シェフに聞いた。
これまでの低糖質パスタは美味しくなかった
本多シェフが「低糖質のパスタ」の開発に関わったきっかけはなんですか?
本多 お客様の中には糖尿病を患っている方もいらっしゃいました。そういった方々は糖質制限もあり普通のパスタ料理を食べることができないので、パスタ料理は出さなかったり少量だけにしたり、デザートを控えるなどの工夫をしてました。
ただ、お客様に聞くと「レストランの食事では、みんなと同じ食事をしたい」という方が多かったのです。
それで何度か、市販の低糖質のものを取り寄せて試したんですが、どうも美味しくない(笑)。柔らかいうどんみたい。ならば自分たちで作ろうと、昨年9月から、生パスタの製麺所である工藤さんに相談することにしたんです。

工藤 一般的に売られている乾燥パスタは100グラムあたりの糖質が69.5グラム程度あります。それを「糖質を50%以上抑えると美味しい麺はできない」というのが製麺業界の常識です。
しかし、今回一緒に開発した「ロカボーノ」は100グラムあたり26グラムに抑えることに成功しました。パスタソースの糖質が10グラム程度なので、合計で30~40グラム。糖質制限の一つの基準に「1食40グラム以下に抑える」というものがあります。ですからシンプルなお肉や魚料理を中心にして、さらにパスタを楽しむことができます。普通の生パスタ同様、レストランで扱えるものができたと思います。
