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「失敗に負けない」メンタルはこうして鍛える

格闘技界のチャンピオンメーカー・古家政吉さんに聞く【後編】

 茂田浩司=ライター

周囲に敗因を聞けるかどうかで、立ち直り方は大きく変わる

失敗して落ち込む部下に的確な改善策を示してくれる「理想の上司」もおらず、自分で切り替えるしかない場合はどうすればいいでしょう?

古家 失敗してメンタルが落ちない人はいませんが、切り替えが上手い人、下手な人は、負けた直後の態度を見れば分かります。切り替えの下手な選手は、ガックリと落ち込み、うなだれて、ずっと「ちくしょう」とブツブツ言っています(苦笑)。そうなってしまうと、周囲の人間も「悔しいね」しか言えないですし、遠巻きに眺めるしかないんです。

 一方、切り替えの上手い選手は、すぐに周囲に聞きます。「どうでした?」「どこが悪かったですか?」と。そうすると、周囲も気付いたことを指摘しやすいですよね。「動きが悪かった」とか「終盤、攻めが足りなかった」とか。そうした指摘から敗因が明らかになり「では、次はここを改善しよう」という前向きな話ができます。けががなければ、早々にトレーニングに復帰して「よし、次へ!」となります。

 次に向けて体を動かし始めると、自然と心も回復していきます。しかし、切り替えが下手な人は「負けた自分」「失敗した自分」を引きずり、トレーニングの再開は遅れ、心の回復も遅くなります。

周囲に敗因を聞けるかどうかで、大きく変わるんですね。

古家 そうですね。自分で気持ちを切り替えるしかない環境にいる人には「周囲に話してみること」を勧めます。上司でも同僚でもいいですし、家族や友人でも「こういう商談が上手くいかなかったんだけど、どこが悪かったのだろうか」と聞いてみる。

 納得のいく答えが返ってこなくてもいいんです。人に話すことで、自分の頭の中が整理できますし、様々なアドバイスや意見を聞いてみると、自分の仕事の仕方を見直すヒントが得られたりします。失敗して、落ち込んでいる人には周囲も気を遣ってしまい、アドバイスもしにくいでしょう。自分から「こんなことがあったんだけど、どう思う?」と切り出せば、周囲もアドバイスしたり、意見を言いやすくなりますよ。

 切り替えの下手な人は、普段から自分の殻にこもりがちで、周囲には「聞く耳を持たない人」と思われていることが多いですね。

そういう人が負けたり、失敗すれば、なおさら周囲は「腫れ物に触る」感じになってしまいますね。

古家 そうです。ますます孤立して、切り替えることができなくなります。失敗した時は、つい下を向いてしまいますが、そういう時ほど意識的に顔を上げて、周囲の人と話した方がいいです。

 物事をポジティブに捉えられるかどうかも大事です。「失敗は恥だ、ダメだ」とネガティブに捉えるのではなく、失敗したことで自分のやり方を見直し、上司や同僚や他の人の意見を聞く機会を得た。つまり「この失敗は、成長するチャンスなんだ」と捉える。それができると、失敗して落ち込んだ気持ちからの「切り替え」も早くできるようになります。

 私は人材育成に携わってきて「失敗する人ほど、伸びていく」というケースをたくさん見てきました。

 教わったマニュアル通りにやれば、一定の仕事はできるようになります。しかし、マッサージやトレーニングの世界は、日々新たな理論が発見されていて、情報は更新されています。我々専門家は、そうした新たな知識をいち早く吸収して、新たな方法にチャレンジすることが求められます。

 新しいことにチャレンジするのはリスクを伴いますから、当然失敗することもある。しかし、失敗するからこそ分かることがありますし、教訓にして改善すればより良いものになる。結局、常に好奇心、探求心を持ち、どんどん新たなチャレンジをする人ほど成長していきます。

なるほど。

古家 失敗は、成長するチャンスです。そして、失敗をして、落ち込んで、気持ちを切り替えて立ち上がる経験をすることで、メンタルは強くなっていきます。失敗した時は「よし、これは強いメンタルを作るチャンスだ」と思ってください。

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