サッポロビールがまとめた「食習慣と糖に関する実態調査」の結果によると、現代人の多くが糖質を必要以上に摂取しており、しかも食生活でカロリーを気にしている人ほど、糖質を摂り過ぎる傾向が見られるという。
調査は、栗原クリニック 東京・日本橋院長の栗原毅氏の監修のもと、全国の20歳代~60歳代の男女1000人を対象に実施(調査期間:2015年2月)した。1日当たりの糖質摂取量の平均は320.23gで、角砂糖に換算(※)すると約80個分に相当する(図1)。
お米やパン、麺類などに多く含まれる糖質(炭水化物から食物繊維を抜いたもの)は、過剰に摂取されると中性脂肪や体脂肪に変化し、糖尿病や肥満など、身体のトラブルを引き起こす危険性がある。
栗原医師が提唱する1日当たりの糖質摂取量の基準値(推奨値)は、男性が250g、女性が200gであるのに対し、調査による平均値は男性が309g、女性が332gと大きく上回った。角砂糖に換算すると、それぞれ約15個分と33個分が過剰に摂取されている。特に女性50歳代の糖質摂取量は413.73g(角砂糖約104個分)といずれの層より多く、糖質を中心とした間食が多い生活習慣が一因と考えられる。
回答者全体のうち、基準値以上の糖質を摂っている「過糖族」は73.5%にのぼった。普段の食生活で「カロリーの取り過ぎに注意している」と答えた人に限ってみると、過糖族の割合は83.0%に上昇する。これは、カロリーと糖質の違いが正しく理解されていないことを示しており、男性は女性に比べその傾向が高い(図2)。
回答者全員に、茶碗一杯のご飯に含まれる糖質は角砂糖にすると何個分になると思うか質問したところ、回答の平均は4.3個だった。しかし実際は3倍以上の13.8個に相当する。
栗原医師によると、糖尿病や肥満に悩む多くの人たちは、カロリーに関してはある程度の知識があるものの、糖質に気をつけていない場合が多く、頑張っている割に期待する効果が出ないという傾向がある。
ダイエットや肥満防止にはカロリーより糖質に注意することが重要だが、栗原医師は、過度に糖質を制限しようとするのではなく、「ゆっくりかんで食べる」「食物繊維が多い食べ物を先に摂る」といったことを心がけながら食事をすることを勧めている。
