男性の梅毒患者、7割超が風俗店を利用
女性患者の4人に1人はコマーシャルセックスワーカー、岡山市の調査
三和 護=日経メディカル
性感染症検査・相談普及啓発カードを配布

聞き取りによる疫学調査の結果、異性間接触で感染した男性患者のうち、過去数カ月以内に風俗店を利用したことのある人は、2016年以降に増加。2017年には71.2%(59例中42例)に達していた。
2017年4月以降の調査票に基づく聞き取り調査では、風俗店の利用歴のある男性は、岡山市内、岡山市以外の岡山県内、隣接県内のほか、関東や国外で風俗店を利用していた。職業の面では、女性患者の25.9%がCSWという実態が明らかになった。また、特定のパートナーが存在する割合は、男性で32.4%、女性で63.0%だった。
こうした結果を受けて岡山市は、2017年7月から岡山市保健所のHIVおよび性感染症検査の際に、岡山市でも梅毒が増加していることを明示し、梅毒の症状や感染経路などの注意点を示したリーフレットを用いて注意喚起を行っている。
また、20歳代の女性患者が増加していることから、女性向けにデザインした「性感染症検査・相談普及啓発カード」(名刺大・2つ折り。写真)を作成し、岡山市内の産婦人科や泌尿器科、皮膚科や内科を標榜する医療機関に送付。梅毒患者の診断時に感染の可能性のあるパートナーに受診を勧奨する場合や、感染リスクの高い女性患者が受診した際に梅毒を啓発し検査を勧奨するために利用してもらっている。
なお、梅毒を届け出た医師に対する聞き取り調査は、2018年1月から岡山県全域に広がっている。岡山市内で使用してきた聞き取り調査票の改訂版を利用し、県として統一した調査が行われるようになっている。
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